自己紹介

ブログをご覧の皆様、はじめまして、ヨースケです。私は50代男性です。ブログの説明にもあるように、40歳で肢帯型筋ジストロフィー患者となりました。と言っても、まだかろうじて歩くことが出来るので、普通のおっさんと変わりはありません。日常生活に制限があるのでちょっと面倒くさいだけです。

ちょうど40歳の時に肢帯型筋ジストロフィーと診断されました。もう目の前が真っ暗になったと言うか、思考が停止しました。ガーンって感じです。でも、すぐに不安が襲い掛かってきました。生活の不安、人生の不安…。ローンはどうなるんだ?家族はどうなるんだ?俺はどうなるんだ?歩けなくなるのか?寝たきりになるのか?…などなど。難病ですから病気自体もよくわかっていません。その後、筋生検のために入院し、筋組織を一部取り出しました。他にもいろいろな検査も受けましたが、筋肉に電気を流されたり実験道具にされてるような気がしてきました。まるでモルモットのようです。大学病院の医師からは「10年後には、間違いなく車椅子になるでしょう」と太鼓判を押されました。あと10年で…。この世の終わりと言ったら大袈裟ですが、人生が終わるような絶望感でした。

退院して通常の生活に戻りますが、不安は膨らむばかりです。病気に関する本などは都心部の大きな書店に行けばあったかもしれませんが、近場の書店にはありませんでした。インターネットも少し普及してきたような時代でしたから、今ほどの情報はありませんでした。ただ、病気についての医学的な解説はありましたので、何となく全体像が見えてきました。最初に病気を宣告された時、自分の中では「筋ジストロフィー=デュシェンヌ型」のイメージしかありませんでした。デュシェンヌ型と言えば重度の筋ジストロフィーですからとても不安になったのです。毎日毎日仕事が一段落するたびにネットで病気について検索します。関連するサイトを片っ端から見ました。最終的には表示されるリンクがすべて青色から紫色になっていました。そうなんです。キーワードを変えて検索しても、表示されるサイトは全てすでに訪問済みだったのです。余談になりますが、当時病気についてわかりやすく書いてあったサイトがありました。その内容をプリントアウトして常に持っていたのですが、数年前に読み返してみるとその記事を書いたのは、今定期的に通院している病院の私の主治医でした。なんという偶然でしょう。

そんな訳で一通りのサイトを訪問して知識を得ることが出来てちょっとは落ち着きました。しかしそれも束の間です。今度は、どれぐらいの速度で進行するのだろうか?今どのあたりのステージなんだろう?どんな風に進行していくのだろうか?と、新たな疑問が湧いてきました。まだその頃は階段は上れるし、立ったり座ったりも普通にできました。日常生活で困ることは何もありません。むしろそんな状態だったからこその不安だったのだと思います。当時のインターネットの状況では、それらの不安を解消してくれるサイトはまだありませんでした。その後は突然襲ってくる強烈な不安感に少し精神的に病んでしまいましたが、家族の協力もあって何とか乗り越えることが出来ました。と同時に、急激に髪が白くなっていきました。

その後、少しずつですが、今まで普通に出来ていたことがうまく出来なくなり、やがて出来なくなります。そう言う事が少しずつ増えていき、気が付けば出来ないことの方が多くなりましした。よく「病気を受け入れる」と言いますが、そんな耳障りの良い言葉ではありません。「諦め」です。色々なことが出来なくなってくるのですが、そこにはそれを認めたくない自分がいます。「こんなはずじゃない」「まだ大丈夫」。しかしやがて出来なくなります。「あ、もう出来ないんだ」。どうやっても出来ないのですから諦めます。それが結果として「病気を受け入れた」ということになるのです。もしかしたら前向きな人はポジティブに、進んで「受け入れる」ことができるのかもしれません。私の場合はやっぱりネガティブに「諦め」って感じです。敗北感と言うか…。でも、いつまでも引きずるタイプではありませんから、きれいさっぱり諦めています。ですので自分が楽しく生きていくために、とてもポジティブに常日頃考えて行動しようと思っています。

肢帯型筋ジストロフィーというのは、私のようにある程度年齢を重ねてからも発症します。自分が発症したときは世の中に情報が少なく不安ばかりでした。そして私も発症してから10年以上時間が経過し、病気もある程度進行しています。それに伴いある程度の知識を得ましたし、経験もしてきました。もしかしたら今、私と同じように肢帯型筋ジストロフィーと診断されて思い悩んでいる方がいるかもしれません。不安に押しつぶされそうになっている方もいるかもしれません。そういった方々の不安や悩みを軽減する手助けが出来ればと思い、私が経験してきた事を公開しようと思いブログを始めました。

今、50代後半まで来ましたが、まだ車椅子のお世話にはなっていません。このまま60歳、70歳になっても車椅子のお世話にならないと言う事を目標に頑張って行きたいと思っています。このブログでは肢帯型筋ジストロフィーのことは勿論ですが、それだけではなく日常生活を楽しむための事や、私が行った先のバリアフリー情報、そして普通のおっさんとしての日常についても思いつくままに書いていきたいと思いますので、お付き合いの程よろしくお願いいたします。