普段仕事の時や家にいる時にかけている中近両用メガネの度数が合わなくなり、頭痛持ちになってしまったのでレンズ交換をしました。
視力2.0からメガネ常用に
昔から視力は2.0あったのでメガネなんて縁のない人生だと思っていましたが、加齢とともに近くの物が見にくくなってきて、メガネが必要になりました。老眼は仕方ないとしても、まさか遠視で常時メガネが必要になるとは夢にも思っていませんでした。
人生最初のメガネは近々両用
近所の大手メガネチェーン店の市場的な店で人生初のメガネ、近々両用メガネをつくりました。これは近くに特化したメガネなのですが、いわゆる老眼鏡と言うのは単焦点レンズと言い、その1点にしか焦点が合いません。たとえば読書用ですと本を読むのには良いのですが、顔を上げるとぼやけてしまって見えません。それに対しある程度の範囲が見える物を多焦点レンズと言います。近々両用と言うのは手元からパソコンを見ることが出来る多焦点のレンズのメガネです。
初めてのメガネはかけ心地も良く、はっきりと見えるようになったのでとても助かったのですが、近々両用メガネの良くない点はパソコンのモニタより先の物はぼやけてしまうと言う事です。ですからFAXをする時など歩く時にいちいち眼鏡をはずさなければいけません。ずっと座っている方は良いですが、頻繁に立つ人はイライラします。
次に作ったメガネはゆるい遠近両用
その後目が疲れるようになり、市場にいた担当者がいなくなり他のスタッフの感じも悪かったので同じ大手チェーン店のおフランス的な店に行きました。そこで言われたのは左目に遠視が出ているせいで疲れていると言う事でした。右目は何の問題もないので左だけに度を入れて右は度の入っていないレンズで遠近両用メガネを作ったのです。これは普段かける用のメガネで、仕事の時は前に作った近々両用メガネをかけていました。
仕事用に中近両用メガネを作る
その後眩しさを感じることが多くなり、TALEXのレンズを使ったサングラスを作るために今通っているメガネ屋さんでサングラスを作りました。この時興味を持ったのが、チェーン店と専門店ではどのように違うのかと言う事でした。眩しさを感じること以外にも目の疲れから来る頭痛なども感じ始めていたので専門店で眼鏡を作ってみることにしたのです。そして作ったのが中近両用メガネでした。
隠れ遠視って何?
当時検眼してもらったところ左目に遠視が出ていて、右目も遠くを見るときもピントを合わせる調節をしている遠視の状態だと言われました。その前にメガネを作ったおフランス的な大型メガネチェーン店では遠視は左目だけで右目は遠視ではないと言われていて、右目はまだ普通に見えるのにどういうことかと尋ねると
と言う事だそうです。つまり右目に遠視の症状はまだ出ていないのですが、本来ピント調節の必要のない距離(5mくらい)を見た時に、右目はピント調節をしているから普通に見えていると言う事なのです。このピント調節力がなくなった時に遠くが見えなくなると言う遠視の自覚症状が出ると言う事なのです。近視・遠視についてはこちらをご覧ください。
チェーン店では機械を使って短い時間の検眼でしたが、メガネ屋さんは機械を使いながらもゼロの状態から目の状態を調べてくれます。チェーン店では赤と緑の板に書かれた字を見てその見え具合で遠視を判断しまていましたが、メガネ屋さんは極端に強い遠視の度を入れたところから度数を減らしていき、目がピント調節しているかどうか調べて判断していました。ですからメガネ屋さんでの検眼は普通に30分以上かかりました。
中近両用メガネで消えた眼精疲労
そういう訳で遠視の場合、目を開けて物を見ている間はずーっとピント調節をしているので非常に目が疲れてしまいます。そのままにしていると積もり積もった目の疲れから眼精疲労になってしまうのです。
確かにその頃の私はいわゆる眼精疲労の状態でした。目がとても疲れていて、異常に眩しさを感じていました。蛍光灯の明かりさえ眩しくて辛かったのです。そして通勤時の対向車のヘッドライトが眩しくて、夜間は黄色いサングラスをかけなければならない程でした。
また、起きてる間は常に頭痛があり、頭痛薬を飲んでも治りませんでした。朝目が覚めた瞬間に頭痛がするというのはとても絶望的な気分になります。
さらに朝起きてすぐにパソコンやスマホを見ると、眩しさで自然と涙が流れ出ます。花粉症で鼻水がツーっと出るのと同じ感じです。さらに車を運転していて空が薄曇りの時も視界が真っ白に感じ、途中から涙が出てきて止まらなくなるのです。さすがにこうなると自分の目がおかしなことになっているということに気がつきます。
そして仕事で使う遠視用の中近両用メガネを作ったのですが、そのメガネをかけ始めてしばらくすると頭痛も涙も異常な眩しさも解消され、対向車のヘッドライトが眩しくなくなったのです。もちろんヘッドライトは普通に眩しいんですけど、それまでのような目が眩んで周りが何も見えなくなるということがなくなりました。もちろん黄色いサングラスをかける必要もなくなりました。どうやら眩しさの原因は遠視だったようです。新たに作った中近両用メガネのおかげで眼精疲労が消えました。
右目の遠視が進みレンズを作り直す
それ以降遠視が進むたびにレンズを作り変えているのですが、だいたい2年ごとにレンズを作り変えています。そして昨年からだいぶ目が疲れるようになってきていて、来年またレンズ交換かなと思っていました。昨年の秋にメガネの調整をしてもらいに行った時に検眼してもらったところ、なんと右目の遠視が進んでいて、度数にすると2段階進んでいると言われました。今までは左目の遠視が強くて右目はそんなでもありませんでした。しかしどうやら右目の遠視が進み、とうとう左目に追いついてしまったのです。そのせいで目の疲れから頭痛になっていたようです。
検眼と度数設定
そして先日レンズ交換するためにメガネ屋に行き、再度検眼しました。昨年と同じ状況です。遠くが見えにくくなると同時に近くも見にくくなってきているので、近くの度数も上げなくてはいけません。
今回のレンズの設定は
左目
- 遠くの度数はそのまま
- 近くの度数を1段階上げる
右目
- 遠くの度数を2段階上げる
- 近くの度数を1段階上げる
という内容で新しいレンズを作りました。
メガネで大事なのはフィッティング
そして先週メガネを受け取りに行って来ました。上記の設定でレンズを作りメガネがズレないようにフィッティングしてもらいました。いくらレンズの設計を良くしてアイポイントを決めても、出来上がったメガネのレンズのアイポイントがちゃんと合わなければ全く意味がないのでメガネがズレないようにしなければいけませんし、メガネをかけていて鼻や耳に痛みを感じてもいけません。ですからメガネ屋さんにはフィッティングの技術が必要なのです。一般的にメガネ屋さんはチェーン店に比べてかなり値段が高いのですが、その理由は検眼の技術や最適なレンズの設計、正確なフィッティングまで含んだ技術料だと思っているので個人的に納得しています。
余談になりますが、私の知り合いが遠近両用メガネを最近人気の有名な量販店で作りました。出来上がってからいくら調整してもメガネがズレるので何度も調整してもらっていたのですが、最後には「このフレームはお客様のお顔には合っていませんからこれ以上は無理です」と言われたそうです。技術の無さを棚に上げてそのフレームを選んだ客が悪いとはビックリです。
そして出来上がったメガネをかけて視力チェックです。近いところの視力は1.2出ていました。これで仕事の時も楽になると思います。
遠近両用や中近両用は慣れが必要
さっそく月曜日から仕事の際にこの眼鏡をかけてみました。度数が変わると見え方も変わるので、脳が慣れるのに時間がかかります。場合によっては目も疲れてしまうこともあるので、その場合は今まで使っていたメガネをかけることもあります。少しずつかける時間を増やして徐々に脳を慣らさなければいけません。
中近両用メガネを作った時は慣れるのに随分時間がかかりました。メガネの正面で見ている分には良いのですが、顔をななめにしてレンズの端で見ると、テレビやモニターの四角い画面が平行四辺形になって見えたりしました。遠視に乱視も入っている訳ですから当然と言えば当然です。さらには視力が良く何十年と何でもハッキリと見えていた訳ですから、多少ぼやけるだけで大変なストレスなのです。遠近両用や中近両用は見える範囲が狭いので、レンズの端の方で見るとぼやけるのです。それが気になってきになってイライラしました。
今回作った中近両用ですが、度数が上がっているので見える範囲が狭くなっています。今までは5m先までははっきりと見えたのですが、今回は3mくらいまで見えてその先はぼやけてしまいます。さらに近くの度数も上がったので、足元がぼやけてしまいます。はっきりと見るにはお辞儀をするくらい顔を下に向けないと足元がはっきりと見えません。筋ジストロフィーの私の体は硬く、顔をしっかりと下に向けるには大袈裟なくらいお辞儀をしなければなりませんが、それは無理なのでこの中近両用メガネで階段を降りることは危険すぎて出来ません。階段を降りる際は通勤時にかけている度数の弱い遠近両用メガネにかけ替えなければいけません。
とにかく何を見るにしてもはっきりと見るためには顔を対象物に正対させないといけません。レンズの中央で見るようにすればハッキリクッキリ見えるのですが、なかなかそれが出来ないんですよね。ま、今でこそ自然と正対して見ることが出来るようになりましたが、最初はそれができなくてぼやけて見えて大変なストレスでした。視力が良かったことで、そのハッキリとした姿を知っているがためにぼやけて見えることの不快感といったらありません。これに慣れることが最大の試練でした。
そして今まで使っていた眼鏡と度数が違うので、新しいレンズで見る場合、メガネの見るポイントも微妙に違うのでそれに慣れないといけません。それが疲れる原因でもあるのですが。わかりやすく言うと、度が合わなくなってきたメガネの場合、モニターを見る時にレンズの下の方で見ていたので顔を上げてみていました。しかし度が合ったメガネの場合、レンズの真ん中あたりで見なければならないので今までより顔を下げなければならないのです。
しかし一日かけていても目が疲れることも無く、目がスッキリとした感じで疲れが抜けてきているような気がしているのでやっと眼精疲労から解放されそうです。
初めての多焦点レンズは中近両用がおすすめ
殆どの人が年齢とともに老眼が進んでから遠近両用メガネを作る訳ですが、ずいぶんと老眼が進んでからだとメガネをかけた時のゆがみや揺れが酷くなり、最悪遠近両用メガネをかけることが出来なくなる人が多いのだそうです。メガネをかけること自体に抵抗があるからメガネなしで限界まで我慢するのでしょうが、遠近両用メガネは度数が低いうちからかけた方がすぐに慣れます。
そして遠近両用は手元から遠くまでと見える距離が長いので、ゆがみや揺れもきつくなります。それに比べると中近両用はせいぜい5mくらいと見える距離も長くないのでゆがみや揺れもきつくありません。ですから初めて多焦点のメガネを作る方は、まずは室内用として中近両用メガネを作ることをおすすします。本を読んだり仕事をしたりテレビを見たりと室内にいる時にかけているメガネですね。そこで慣れてから遠近両用メガネを作るとすんなりと馴染めると思います。
遠視の方は信頼できるメガネ屋さんへ
目の不調を感じている方、一度専門のメガネ屋さんへ行って相談してみて下さい。大手量販チェーン店も人気ですが、近視の方なら良いと思います。でも老眼や遠視などの場合、その見え方も非常にデリケートですから専門のメガネ屋さんが良いと思います。メガネ屋さんなら検眼し、その人の仕事やどういう時にメガネが必要なのかを聞いて必要な度数を設定してくれるからです。
でも老眼などが出てくるとまず眼科へ行く方が多いと思います。私も最初に眼科へ行きました。その処方箋を持ってメガネ屋さんに行ったのですが、そこで最初に検眼してから度数と見え方について説明してくれました。眼科医の処方の場合、理想の視力と現在の視力の差の度数を処方する場合が多く、その度数で作ると度数が強すぎて頭が痛くなってかけていられないそうです。メガネ屋というのは視力を測ったうえで、お客がどのくらいの度数を必要とするのか話を聞きながら度数を設定するので、ずっとかけていることが出来るのだそうです。私も実際に眼科医の処方の度数とメガネ屋さんおススメの度数でテストレンズを組んでもらいかけてみましたが、眼科医の処方の度数ではずっとかけていられませんでした。実際会社の同僚でもメガネを作ったけど頭が痛くなってかけていられないという人間が数名いますが、彼らも眼科医で処方してもらった度数で眼鏡を作っていました。
目は人間の脳の出先機関です。目から入ってきた光を脳が情報処理して映像に変えています。光を取り入れる目の状態が加齢とともに衰えてきた時に、良くない補正道具を使っていれば脳も疲れてしまいます。たかがメガネと軽く考えることなく自分に合ったメガネを作って快適に過ごしましょう。
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