日本橋 木屋のNO.3鎌型包丁を買いました

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高島屋で木屋の洋包丁No.3鎌型と言うのを買いました。鎌型と言うのはいわゆる三徳包丁ですが、三徳包丁とは肉、魚(骨は除く)、野菜のすべてを切ることが出来る万能包丁という意味です。いくらでも安い包丁があるのに何故そんな高い包丁を買ったのかと言う事ですが、料理好きの義母に頼まれたからです。

日本橋木屋の包丁のパッケージ

義母からのリクエスト

義母は大の料理好きで実家に行って食事をする時もそのおかずの種類の多さに驚きます。結婚してすぐの頃は私が行くので多いのかと思ったのですが、妻から話を聞くと昔からおかずの種類は多かったそうです。つまり私が見ていたのは普通の食事風景だったのです。何ともうらやましい限りです。義母は昔から家で縫製の仕事をしていましたから、仕事をしながらたくさんの料理を作っていたのです。もう尊敬の念しかありません。

料理好きの義母

そんな義母ですが、義父が亡くなり一人暮らしになっても料理は作ります。もう84歳ですから食べる量は少ないので余った物は有難いことに全て我が家に回ってくるのです。一人暮らしだからそんなに作らなくてもと思いますが、義母にとって料理は趣味と言うか生き甲斐みたいなものなんでしょうね。昨年肩を痛め、痛みで右腕が上がらなくなった時でさえ、工夫しながら料理を作っていましたから、妻とも「母が料理を作っている間は安心だね」と話しています。

ハガネの包丁の切れ味

そんな義母から包丁を買ってきてほしいとリクエストがありました。昔から使っていた包丁は、どうやら私が得意先から買ってきたものだったようで、とても気に入っていました。その包丁の切れ味が悪くなってくると義父が丁寧に研いで使っていましたので大きさも随分と小さくなっていました。私の父もそうでしたが、昔の人は当たり前のように包丁を研いでいたものです。

その義父が一昨年に急逝し、包丁を研ぐ人がいなくなり新しいステンレス刃の包丁を買ったのですが、ハガネの包丁に比べて切れ味が良くないそうです。仕方なく昔から使っていたハガネの包丁を近所で研ぎに出したそうですが大して切れ味も良くならず「ヘタなのよね」と言っていました。

そのハガネの包丁は、当時私が営業をしていた時のお客さんで、レストランなどへ業務用商品を納めていた問屋さんで購入していたようですが全く覚えていません(笑)。当時私は厨房関係のメーカーに勤めており、

  1. 百貨店に卸す百貨店問屋
  2. 金物店に卸す金物問屋
  3. レストランや料理屋に卸す金物問屋

を担当していました。そのハガネの包丁は③の金物問屋で購入していたのだと思います。私が結婚した時もその問屋さんで北京鍋(片手の鉄製中華鍋)を買っていましたし、母が言うにも「合羽橋で買ってきてもらった」って言ってましたから間違いないと思います。

そんな包丁ですから料理好きの母にとってはとても使い勝手が良かったのだと思います。その包丁がうまく研げないのでステンレスの包丁を買ったのですが、やはりハガネの包丁に比べて切れ味は良くないようです。切れ味が良くないことが料理好きの義母にとってはストレスのようで、今回のハガネの包丁のリクエストとなったのです。

木屋No.3鎌型包丁を買う

木屋洋包丁No.3鎌型

義母からは「1万円くらいする包丁を買ってきて」と言われていました。先日、柏高島屋に行きましたので家庭用品売り場をチェックしてみると、そこに飾ってある包丁の三分の二は木屋の物でした。あとはドイツのヘンケルもありましたが、義母が使っているステンレスの包丁がヘンケルだったので対象外です。

私はかつて厨房関係のメーカーに勤めており、木屋の包丁はとても有名でしたので何の迷いもなく木屋の包丁から選ぶことにしました。

日本橋木屋とは

木屋とは江戸時代中期の寛永4年(1792年)創業の包丁などの刃物を製造する会社で、創業初代から数えて9代目という日本橋で220年続く打刃物の老舗です。

いろいろ調べてみるとこの木屋というのは自社で刃物は製造していないようです。一般的な包丁類は刃物で有名な関の協力工場で、プロ用の和包丁は鍛冶屋さんで手作りしているという、いわば刃物のプロデューサーのようです。とは言え長年に渡る伝統や技術がありますので、常に素材の研究開発をしながら使いやすい刃物を追及しているのです。考えてみれば刃物だけで食べていくと言うのは大変ですし、そこに物を作る現場を抱えていれば尚更です。

私が昔業界にいて感じたのは、たしかに岐阜県の関市は刃物で有名で技術力の高い工場がたくさんあります。しかしブランドとして展開していくと言うよりは職人的な技術力を提供するという感じなので、ちゃんとしたコンセプトのある木屋などの会社が必要なのです。そういった会社は新潟にも多いのですが、コンセプトを持ってのブランドづくりと言うよりは、量販店で売るための品ぞろえとして必要な商品と言った感じがします。ですから最初に重要なのが店頭での売価になってしまうのです。○○円で売りたい、から入りそれに合わせた材質や仕様になるのです。随分と前の事なので今はどうかわかりませんが。

さて、義母からは三徳包丁をと言われていたのですが、木屋の包丁に三徳包丁の名前がありません。でも形を見ると鎌型と書いてある包丁がそっくりです。そこで店員さんに声をかけ質問をしてみると、やはり鎌型と言うのがいわゆる三徳包丁ということです。この木屋のNo.3は国産高品質炭素鋼(ハガネ)を使用しているそうで、百貨店の店員さんは商品知識が豊富なので色々とハガネのメリットやデメリットを教えてくれました。デメリットと言えばハガネなのでさびやすいと言う事なので、洗ったら水分をふき取ることが重要です。その上で最終的に木屋のNo.3鎌型に決めたのですが、同じ商品でも前後のバランスで若干持った感じが違うと言う事で何本か持ってみて選びました。価格は11,880円でしたが、義母にはまだまだ元気でいてもらいたいので喜んでもらえれば安い物です。

包丁のメンテナンス「研ぎ」

そして義母が包丁を砥げないのでその話をすると、売り場でも研ぎを受けてくれるそうですが出来上がるまでに約4週間ほどかかるそうです。売り場から木屋に行き、そこから工場に送るのでしょうから仕方ありません。しかしだいたい2ヵ月に1度は研ぎ職人さんが売り場に来るそうです。そこで預かればだいたい3日くらいで出来上がると言っていましたので、もし研ぎに出さなければならなくなったら職人さんが売り場に来るタイミングで出せばよいのです。

料理はボケ防止に最適

売り場の方も話していたのですが、料理はボケ防止に良いのだそうです。その方のお母様は90歳を過ぎて耳は遠くなっているのですが、料理が好きなので全くボケていないそうです。実際、義母も

  • テレビの料理番組を見て作ってみる
  • 必要な材料を考えて買い物をする
  • 自分の好みの味にするために調味料の分量を変えてみる
  • 経験に基づいてアレンジしてみる
  • 段取りを考える

などしているせいかボケてきているようには感じられません。料理をしなくなったら考えなければいけませんが、いつまでも好きな料理をしていてほしいですし、している間はまだまだ大丈夫かなと思います。楽しく続けるためにもやはり道具選びは重要です。

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