筋ジストロフィーの私にはアクアは車高が低すぎた

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・2018/07/30追記しました

今日、通勤で使用している会社の車がアクアに替わりました。会社の車数台が入れ替えのようです。車自体は1週間以上前から届いていたのですが、名義変更やらなんやらで今日までかかったようです。

アクアにシートリフターがないことの問題

アクアは見るからに車高が低くて心配でしたので、事前に色々調べてみたところ

”最下位グレードのLにはシートリフターが付いていない”

という衝撃の事実がありました。

アクアにシートリフターが付いていない

あれだけ車高の低い車ですから、シートリフターは全グレードに標準装備だと思っていました。シートリフターが無かったら小柄の女性は運転するのが大変だと思いますが。もしかしたらこのグレードは社用車として使用する企業向けなのかもしれません。驚くようなことは他にも色々とありましたが、私にとってこれは大問題です。しかも届いていた車はその特徴から間違いなくLです(リアワイパーが付いていない)。この際、他の装備なんてどうでも良いです。

シートリフターのないアクアの運転席

アクアから降りることが出来ない

では、何故車高の低い車は私にとって大問題なのか。それは車を降りる時に立つことが出来ないからです。私は肢体型筋ジストロフィーですので体幹に近い筋肉からなくなり、椅子から立つことも出来ないのです。高めの椅子でテーブルなどに手をついて身体を支えれば立つこともできるのですが、普通の飲食店の椅子では立つことが出来ません。それよりも更に低いシートから立つなんて不可能です。つまり車を運転し、会社に着いても車から降りることが出来ないのです。そうなると通勤できないという問題になります。

アクアは天井も低かった

そしてその日の帰宅する時からアクアになりました。ドアを開けてみるとやはりシートリフターは付いていませんでした。会社にある低反発の座布団などを、同僚に借りた物も含めいくつか持ち込んで準備万端でアクアに乗り込んでみました。なるべく高さを稼がなければならないので、座布団を2枚敷いてみましたが、車高だけではなく屋根も低いので天井に頭がつきそうになりとても窮屈です。仕方なくシートを倒し気味にしてみますが私は腕が短いので、常に腕が伸び切った状態になるのでとても疲れますしハンドル操作に余裕がありません。しかもシートを倒し気味にして運転というのは私にはあり得ないことです。20歳の時から営業車を毎日運転していましたので自然と体は起こし気味で周囲をすぐに見わたせるような態勢になっています。その頃の車といえばほとんど全てマニュアル車でしたから、常に左手でシフトレバー操作をするのでシートを倒し気味では運転できません。シートを倒し気味にして運転しても、目視しにくいしハンドル切るのも大変です。やはり体は起こした状態でどうにでも動けるような態勢を取ることが安全運転には必要だとこんな状況で再認識しました。

高さを稼ぐと視野が狭くなる

ただでさえ車高が低くフロントガラスも縦幅が無いので視界の悪さは想像以上です。座布団などを敷いてアイポイントを高くするとさらに視野が狭くなります。しかも視界の左側にルームミラーってどういうこと?そこにルームミラーがある理由はちゃんとあるようですが、普通にルームミラーが視界を妨げています。左折や左カーブで見なければいけないところがミラーで見えません。そして燃費を意識した流線型という形状のため後ろの窓が小さくて見にくいのですが、アイポイントを高くするとさらに見にくくなってしまいます。視野が狭くて物凄く神経使います。事故を起こしてからでは遅いですからね。

筋ジストロフィーの私には無理なのか

それでも何とか家に着き駐車場に着きました。これからが勝負です。車から降りなければならないのです。何度もトライしましたがシートが低くて立てません。さらに座布団をもう一枚挟んでやってみましたがダメです。これは厳しい。でも車から降りなければ家に帰れません。やはり筋ジストロフィーの私にはアクアのような車高の低い車は無理なのでしょうか。

アクアから四つ這いで後ろを向いて降りる

必死に色々考えて何とか立つ方法を発見しました。それは助手席の方を向いて四つ這いになり、下がりながら地面に足を降ろし、ハンドルやシートにつかまりながら後ろ向きに立つのです。人が見ていないところなら良いのですが、通勤途中に寄るコンビニの駐車場でやるのはどうかと思います。これしか車を降りる方法がありませんので正直参りました。毎日のことですから。

高さを稼ぐと窮屈になる

翌日頼んでおいた高さ6cmのU-miss 高反発座布団が届きました。硬くてこれなら立てそうな気がしたので早速帰りに車に持ち込み敷いて立ってみようとトライしましたが、あともう少し、という感じで立てませんでした。仕方なくそのまま高反発座布団に座り帰宅し翌朝もそのまま通勤してみましたが高反発座布団なので座ってもほとんど沈みません。シートの上で6cm高くなった状態です。頭が天井にかするくらいでかえって視野が極端に狭くなりました。車の形も正面から見ると上に向かって狭くなっているので右を見ると目の前がすぐに窓ガラスになります。当然スペース的に狭いので頭が窓にぶつかり右後方を見ることができません。仕方なく体を左側に倒しながら右後方を見るしかないのですが、今度はヘッドレストと支柱が邪魔して見たいところを見ることができません。ちょっと安全運転に自信が持てなくなりますし車の周囲の確認ができず不安です。そんな態勢で運転しなければいけないのはどうかと疑問が湧いてきます。とにかく窮屈で体に負担がかかるわストレスたまるわ大変です。

U-miss高反発マット

筋ジストロフィーの私にはアクアは車高が低すぎる

どうせ立てないなら座布団など敷かない方が運転しやすいと思いますので、これからは普通の座布団にしようかと思っています。ただ、降りるたびに四つ這いにならなければいけないというのが気にかかります。何かあった時にすぐに降りることができない訳ですし、四つ這いで後ろ向きに車から降りるというのは普通の車の使い方ではありません。当然メーカーもそんなことは想定していないと思います。やはり最近人気の高燃費コンパクトカーのアクアは私のような筋力のない筋ジストロフィー患者には向いていません。そう言えば前に代車できたビッツも低くて大変でした。でもビッツにはシートリフターがついていたので、厚めの座布団を敷けば何とか立てました。そして天井も高かったので厚めの座布団にシートリフターで座席を少しあげても天井まで余裕があり、運転に何の支障もありませんでした。でも基本的なシートの位置では座席が低いなという印象でした。常々燃費の良いハイブリッドのコンパクトカーにも乗ってみたいと思っていたのですが、筋ジストロフィーの私には無理のようです。やはり障害のある者は自然と動作も大きくなるので、大きな車じゃないとダメなんだと実感しました。

2018/07/30追記
その後、会社に窮状を訴え、有難いことに車を会社で一番古いキューブにしてもらいました。何とか毎日通勤できています。

ところで、この高反発座布団は通勤時に使用してみましたが、硬いのですが快適です。シートが柔らかいと底つきしてお尻が痛くなるのですが、そういうことも無く楽でした。そして腰に負担がかからないのは言うまでもありませんが、確実に座高が高くなります。

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