今日は私の愛用している結ばない靴紐、エクステネクスをご紹介します。筋ジストロフィーが進んでくると、しゃがむと立てなくなってきます。外出するには靴を履かなければいけませんが、途中で靴紐がほどけてしまうとしゃがんで結ぶことが出来ないので困っていました。マジックテープの靴でもテープをとめるのにしゃがまなければなりません。何か良い方法は無いかと探していた時にこのエクステネクスを発見しました。
結ばない靴紐、エクステネクスとは
みなさんエクステネクス(xtenex)ってご存知ですか?エクステネクスとは伸縮性のある素材でできた結ばない靴紐のことです。オリンピックに出場するマラソンランナー達も使用しているくらいですから、本格的です。
商品タイプとしては
- X300 75cm・・・・一番人気でどんな靴にも合わせやすく使いやすい
- X300 50cm・・・・女性用、子供用、ホールの少ない靴
- X200 50cmGolf・・ゴルフシューズやビジネスシューズ
という3種類があります。私は75cmを使っています。
エクステネクスのメリット
エクステネクスはゴムのような伸縮性のある素材でできており、等間隔で沢山の節(凸)があります。これを自分の足に合わせて一度セットすれば
- 毎回結ぶ必要がない
- ほどけない
- 足にフィットする
となります。
毎回結ぶ必要がない
エクステネクスを一度自分の足に合うようにセットしてしまえば、履くたびに紐を結ぶ必要がありません。仕事柄靴を脱いだり履いたりすることが多い方に最適です。また、私のように障害のある方は楽に靴を履いたり脱いだりできます。
ほどけない
靴紐を通す穴にエクステネクスの節(凸)が引っかかって紐が抜けないのです。ほどかずに脱いだり履いたり出来るよう伸縮性のある素材でできているのです。また、紐を引っ張れば伸びて節が抜けて緩むのではないか、と思う方もいると思います。しかしこのエクステネクスの凄いところは、ひもの片側を引っ張っただけでは節は伸びないのです。そうなのです。両側から引っ張らないと節は伸びないのです。ですから靴を履いて運動しても緩むことがないのです。歩いていて紐がほどけてそれを踏んで転んでしまうこともありません。障害者も安心して歩くことが出来ます。
足にフィットする
エクステネクスを一度自分の足に合わせてセットすれば抜群のフィット感を手に入れることができます。しかも解いたり結んだりする必要がないので、毎回同じフィット感を得ることができるのです。運動する方には非常に重要なことですよね。最高のパフォーマンスを発揮できるのです。そして私のような障害者は足下に不安があると外出するのが嫌になったり、歩いていても変に足に力が入って危険なのです。そういった不安が無いと言う事がリハビリにおいても重要なのです。
エクステネクスのデメリット
ただし、こんなデメリットもあります。
- セットするのが大変
- はずすのも大変
セットするのが大変
このエクステネクス、両側から引っ張らないと節が伸びないので最初に紐を通すのが大変です。一節一節引っ張って伸ばしながら靴の穴に通すのですが、抜群のフィット感が得られる訳ですから、伸ばすのに力が必要です。しかもエクステネクスの片側を引っ張っただけでは節が伸びません。両側を引っ張って初めて節が伸びてまっすぐになり、穴に通すことが出来るのです。とは言っても両手とも握力は約20kgしかない筋ジス患者の私で通せるのですから、普通の方ならもっと楽にできるのかもしれません。通し終わった後に「あー疲れた」と感じる程度ですから。ただ疲れるのと同時に指も痛くなります。
はずすのも大変
靴がダメになり、紐を外すときも大変です。紐を通す時が大変と書きましたが、まったく同じです。力は必要ですし指は痛くなります。ちゃんとセットしてある分、余裕がないところで紐の両側から引っ張って節を伸ばすのですから大変です。
しかしデメリットと言ってもエクステネクスの品質や機能に問題があるわけではなく、強力なために装着するのが大変ということだけです。それだけ強力だからこそ、使用していても緩むことが無いのです。
エクステネクスを使ってみる
さっそくエクステネクスを購入し、使ってみることにしました。カラーも地味な色から派手な色までありますから、靴の色に合わせて選べるのが嬉しいですね。
エクステネクスが必要な私の体の状態
さて、私の今の体の状態はと言いますと、
- しゃがむと立つことができない
- 筋力がないので中腰の姿勢ができない
- 常に膝は伸ばしたままの状態
そんな状態ですので、靴を履く時にしゃがんで紐を結ぶことができないのです。下に置いた靴に足を突っ込んで無理やり履くか、つま先をトントンして履くかの二択です。靴ベラも中腰の姿勢ができないので、余程長いものでない限り使えません。かと言って靴が履きやすいように常に紐を緩めておく、という方法も過去にやっていたのですが、今はできません。緩めておくと靴の中で足が滑ってしまい余計な力が入って筋肉がこわばり歩けなくなってしまいます。そういう訳でこのエクステネクスは障害者の私にピッタリな靴紐なのです。最初にエクステネクスを使った時は感動しました。履く時は紐が伸びるので少し力を入れれば履けますし、履いてしまえば足にピッタリフィットして歩きやすいですし。今では私の靴の紐はほとんど全てエクステネクスになっています。
エクステネクスを靴にセット
実際にエクステネクスを靴に通してみると結構大変です。とにかく硬くて伸ばすのも一苦労。慣れてコツを掴んでしまえばそんなでもないのですが、慣れるまでは大変でした。腕はだるくなるし、親指などの指先は痛くなるし。とりあえずセットの仕方はこんな感じで。
- 足を入れずにザックリとエクステネクスを通す
- 足を入れて下から調整する
- 余った紐を処理して終了
余った紐は余った長さに応じて固結びしても良いですし、長かったら切ってしまっても良いと思います。紐の長さも50cmと75cmがありますが、同じ長さのエクステネクスでも靴によって余り方も違います。私は75cmを使用しています。
実際に履いてみる
私の場合、普通のローカットのスニーカーなら、足を入れてグリグリ又は、つま先トントンすれば履けます。普通の方はかかとに指を入れて履けば問題ないでしょう。
ミドルカットのスニーカーはさすがにそのままでは履けません。靴ベラを使用するしかありません。普通の方でもミドルカットなら紐を解いて履くのでしょうから、靴ベラで履けるなら十分です。
フィッティングに関しては、一度で完璧を求めないことですね。座って足を入れた状態で締めても、歩くとまた違いますから。キツめが良いとか緩めが良いといった好みもあるでしょうし、普段使いの靴と、運動する靴でも違います。実際に履いて調整しながらベストのポジションを見つければ良いと思います。
エクステネクスと類似品の違い
今ではエクステネクスの半分の値段で似たような商品が出ています。私も安いので買ってみました。同じ機能で安いに越したことはありません。
セットが楽。と言うことは・・・
セットは楽です。なんせ片側だけでも強く引っ張るとシュルルルルと抜けてしまうのですから。その商品は節のところが玉状になっていて、引っ張るとその玉が伸びるのです。そのため強く引っ張ると穴を抜けてしまうのでます。と言うことは…。
強度の違い
エクステネクスは節以外の部分も太いので、強度があります。だから動いてもフィットしたままなんだと思います。類似品は玉以外の部分が細いので、力がかかると玉がすぐ伸びる感じです。力がかかる瞬間瞬間で緩むというか。フィット感が違います。やはり基本的な強度の違いを感じます。
エクステネクスを使用した感想
最初のエクステネクスを購入してからもう5年ほど経過しますが、なかなか快適です。自分で調整していますから、踵が浮くこともないですしね。しかしなんといっても歩いていて紐がほどけないのが一番嬉しいんです。普通の靴紐の時は、歩いていると自然とほどけてきました。非常に危ない状態なのですが、しゃがめないので直すことができません。ほどけた紐を踏まないように気をつけながら、ガードレールだったり、何か足を乗せることのできるものを探していました。そこに足を乗せて立ったまま紐を結び直していました。しかし最終的に何もない場合、仕方ないのでその場で靴を脱いで手に持ち、立ったまま紐を締め直して履いていました。そういった不安や心配、面倒が全くなくなったのが嬉しかったです。
エクステネクスは障害者やリハビリ中の方に特におススメ
いずれにしても、私の場合は立ったまま靴を履くというのが条件なので、エクステネクスを使うことでそれが叶うのですから何も不満はありません。たとえ家を出る時に靴を履くにしても、座って履くと立つ時に物凄いエネルギーを使うことになるので、結構しんどいのです。靴紐に¥2,000?と思うかもしれませんが、今の私にはもうなくてはならない必需品となっています。
満足のコストパフォーマンス
それと、エクステネクスはもう5年も使っていますが、今までダメになって捨てたものはありません。耐久性もあるので繰り返し使えますから¥2,000は初期投資としては高く感じるかもしれませんが、十分元は取れていると思います。そう考えるとコストパフォーマンスも良く満足しています。
もし仕事がら靴を頻繁に脱いだり履いたりする方、いつも靴紐がほどけて困っている方、私のように障害で紐靴が履けない方。是非一度このエクステネクスを試してみてください。特に紐靴を履けない方は履ける靴が限定されてしまいますが、このエクステネクスを使用すれば履ける靴が増えますから靴を選ぶ楽しみも増えますのでオススメです。
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