階段から落下、そして奇跡の回復

九死に一生を得る

大学病院で筋ジストロフィーと診断されてからは、特に大きな問題もなく過ごしていました。しかし2006年4月、朝起きて二階から下りようと階段を一段下りた瞬間に膝折れしたのです。

階段上部

あぁ終わった

あれは忘れもしない2006年4月3日(月)、ちょうど長男の大学入学式の朝でした。いつも通り起きて1階に下りて行きます。階段を一段下りた瞬間、右足の膝がカクッと折れました。「あっ!」と思った瞬間、前につぶれる形になりそのまま階下の方に仰向けになり頭から落ちていきました。日常生活で平らなところで膝折れすることは無かったので、まさかこんなところで膝折れするとは夢にも思っていませんでした。少しでも頭にあれば気を付けていたと思います。

階段を下りたところには作り付けの下駄箱があります。そこに頭から突っ込んだらどうなるか。瞬間的に「あぁ終わったな」と思いました。完全に諦めの気持ちだったので、不思議と恐怖感とかありませんでしたし体に力も入っていませんでした。ただ、仰向けになって落ちながら見えた階段の窓の外が明るかったのだけは今でもはっきりと覚えています。

あれ?生きてる?

そしていわゆる「ドンガラガッシャーン」ってやつです。何がどうしてどうなったのかわかりません。覚えているのは玄関の三和土に落ちていたということでした。「あれ?生きてる?」玄関には長男の折り畳み自転車が置いてあり、気が付いたときは、自転車のハンドルに左足が引っかかっていて、体は三和土にありました。物凄く大きな音に驚いて、慌てて走りよってきた妻に抱えられ、「足、引っかかってるからとって」というような事を言って足を外してもらいながら、今の自分の状況を把握しようと必死でした。そして身体のチェックを行います。「頭はぶつけたようだけどそんなに痛くない。気持ち悪くもないし、星もでなかった。首も動く。手は…動くし力も入る。足も変な方向を向いてないし動くし痺れもない。多分大丈夫かな」。身体を起こされると頭の後ろのほうが冷たかったので、頭を切ったのはすぐに分かりました。触ると手が真っ赤に染まりました。まあ、頭から落ちたのですからこれ位はしょうがないと思いつつ、タオルで抑えて止血。一応、頭を打っているのですぐに動かない方が良いと思い、暫く玄関に座ったまま放心状態でした。

命の恩人、スリッパラック

本人は「もう終わり」と思ったにもかかわらず、結果としては終わりませんでした。では何故助かったのか?それは、作り付けの下駄箱の手前にラタンのスリッパラックが置いてあったのです。本来、頭から下駄箱に激突するところ、ラタンのスリッパラックにぶつかりました。そして首が変な風に曲がりながら左肩の骨がポコッと出ている部分がスリッパラックに激突します。同時に頭も下駄箱にぶつかるのですが、スリッパラックに勢いがかなり吸収されているのでそこまで激しくはぶつからなかったようです。そして、てこの原理で足が反対側に振られ自転車に激突した訳です。恐らくスリッパラックに激突した反動で体が浮き上がり、自転車に思い切り叩きつけられたような状態だと思います。これが普通の木製のスリッパラックだったら、こんなにうまいこと行かなかったでしょう。ラタンという素材自体にしなりや粘りがあり、衝撃を吸収してくれたのだと思います。まさに九死に一生を得る、ということです。このスリッパラックはいずれ不要になったとしても、絶対に捨てることはできません。私の命の恩人なのですから。

コエンザイムQ10で奇跡的な回復

何とか立ち上がりリビングへ行き、血に染まったシャツを取り替えました。大したことないのかなと思っていましたが、時間が経つにつれてだんだんと痛みが出てきました。

徐々に増す痛みで動けず

落ちた時はやはり興奮状態にあるのでそこまで痛みを感じていなかったのですが、落ち着いてくるとだんだんと痛くなってきます。その痛みとは

    1. まず右足の親指です。膝が折れると全体重が親指の付け根にかかります。激しい痛みがあるのですが指は動きます。多分以前膝折れしたときと同じで、ヒビでもはいったのでしょう。あの時は腱が骨についている部分に力がかかり、骨が少し剥がれたのです。
    2. 首筋から背中にかけて首筋から左肩にかけてとても重い痛みがあります。ですのであまり首を動かせません。しかし特定の動きをしたときに激痛が走るというものではなく、筋を伸ばしたか傷めたか、という感じです。
    3. もちろんは二箇所切った訳ですし、ぶつけているのでやはり痛みます。
    4. そして左肩です。痛くてあまり動かせません。でも、痛いのを我慢すれば動かせますし、首と同じで激しい痛みではありませんので打撲ではないかと思いました。
    5. 左ふくらはぎの外側も痛くて、見るとまるで野球のボールが半分埋まっているかのごとくきれいに丸く腫れています。身体の向きが変わったときに、自転車のハンドルにぶつかったというか、ハンドルが刺さったという感じです。

とりあえず湿布をペタペタとたくさん貼って貰いました。とにかく現時点の痛みのトップスリーは①首、②左肩、③背中です。痛みで起きていることができません。意外と重症のような気がしてきました。当然、首周辺の筋肉で頭を支えているわけですから。横になろうとしたら、今度は2位の左肩の痛みが瞬間的にトップに立ちました。そう、左腕を動かせません。見たところ腫れてもいないし出血もしていないのですが、触るととても痛い。やっとの思いで横になっても首・肩・背中の痛みは和らぎません。結局、大変な思いをしながら動き、ポジションを変えて枕なしで仰向けが一番楽なポジションとわかりました。仰向けだと腰が痛くなってくるので横を向こうとすると今度は肩が痛みます。右手で左腕を押さえて何とか横を向くのですが、横を向くと今度は首筋が痛み。落ち着きません。とにかく中途半端なポジショニングで誤魔化しながら一日を過ごしました。もちろん会社は休みました。

かなり重症でも自宅療養

夜になって湿布を貼り替えると左足のふくらはぎが大変なことになっていました。朝見た時はボールが半分埋まっているかのようだったのですが、夜にはボールが消えていました。いや、まわりが腫れてボールが完全に埋まってしまったのです。ふくらはぎがものすごく太くなっています。首、肩、背中は相変わらずで、これは安静にしているより他に方法はありません。左肩はポコッとしたところが赤くなって痛いですが全く腫れていません。本当にこれはラタンのスリッパラックのおかげです。衝撃をみんな吸収してくれたのです。結局、痛くて動くのも大変だったのと、骨も折れていないので冷やす以外にすることもないと思ったので病院には行きませんでした。唯一やったことと言えば、毎日コエンザイムQ10を一日の最大摂取量をとったということです。でもそれだけふくらはぎが腫れたなら病院に行けよ、って思いますが。

コエンザイムQ10を最大摂取

コエンザイムQ10は、私が筋ジストロフィーと診断され、その後ふくらはぎに重い痛みを常に感じるようになってから服用しています。そのふくらはぎの痛みはある日突然やって来ました。それはふくらはぎの中心を鷲掴みされているようで、足を引きずって歩かなければならないほどの重い痛みです。日に何度も痛みがやって来ます。寝ている時にやってくると痛みで目が覚めてしまいます。そんなある日、新聞の本の広告の中の目次に「筋ジストロフィーとコエンザイムQ10」と出ているのを偶然見つけました。本も買わずにすぐにコエンザイムQ10を買い求め、服用し始めました。するとどうでしょう。嘘のように痛みがなくなったのです。完全になくなった訳ではありませんが、たまにくるだけになりました。それ以来コエンザイムQ10はなくてはなりません。コエンザイムQ10は新陳代謝を活発にするので、疲労回復もはやくなりますしこういったケガなどの回復も早くなると思い、毎日最大摂取量をとってみたのです。

今私が今愛飲しているコエンザイムQ10はこちらです。

カネカ還元型コエンザイムQ10がおすすめ
今日は私が筋ジストロフィーと診断されてから飲み続けているサプリメントをご紹介します。それはコエンザイムQ10です。今こうやって普通に日常生活を送れている大きな要因の1つです。

コエンザイムQ10でみるみる回復

月曜の朝に階段から転落したのですがコエンザイムQ10の効果により、木曜日には動けるようになっていました。信じられないほどみるみる回復していきました。自分で回復具合がわかるのです。日に日に傷めた首や腕が動くようになっていったのです。左足のふくらはぎはまだ腫れていましたが、内出血は足の甲の方まで下がっていきました。早くも足首から下が紫色になっていたのです。普通のズボンは履けませんが、ゆったりとしたカーゴパンツなら大丈夫です。首から背中、肩の痛みもだいぶ良くなり動きに制限はありますが、外出できそうです。ということで、金曜日にテストを兼ねて午後から会社へ行きました。そして翌週からは通常出勤しました。わずか4日でここまで回復するとは思いませんでした。コエンザイムQ10のおかげでまさに奇跡的な回復でした。

運に感謝して

首筋はかなりひどい状態だったらしく、この後数年間、上を向くことが出来ませんでした。今でも長い時間上を向くことは出来ません。そしてふくらはぎには黒いあざが残っています。触ってみると筋繊維を横切るように段差があります。あれだけ腫れたのですから恐らくハンドルが刺さったような感じで筋肉が横に切れたのだと思います。あの時、少しでも運がなければ今こうしてブログを書くことも出来なかった訳ですから、助かったことに感謝して生きていかなければいけないと思っています。

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