私の体を支えるニューバランス576が壊れた

私が毎日のように履いているニューバランスの576ですが、ついに壊れてしまいました。左のソールが剥がれてたのです。壊れる二日ほど前から靴を脱ぐときに違和感がありました。いつも脱げるタイミングよりほんの一瞬遅れて脱げると言うか。そして見たらソールが剥がれていたのです。

底が剥がれたニューバランスのM576

底が剥がれた576

ニューバランスを選ぶ理由

私は筋ジストロフィーを患っているのですが、特に下半身の筋肉が目立って減っています。今では歩くこともなかなか大変になってきました。そうなると靴選びも大変になってきます。皆さんは靴はどこのメーカーでもどんな形状でも気にしませんよね。気に入った靴を履きますよね。でも私の場合それができないのです。

同じメーカーの靴しか履けない

メーカーごとに素材や構造、形状などが違います。私は履いているとその違いがわかってしまうのです。いつも履いている靴と違うメーカーの靴を履くと、足の動きがいつもと違った動きをします。そうすると体のバランスも変わり、筋力のない足や腰などでバランスを取ろうとするのです。そうなると普段使っていないような部分に力が入り筋肉が張ってきてまともに歩けなくなります。当然筋肉に負担がかかるのでそのまま転んでしまうこともありますし、その筋肉の張りが取れるまでに数日かかります。色々なデザインの靴も履きたいと思いますが、そんな理由で同じメーカーの靴を履くしかないのです。そこで私が選んだのがニューバランス社の靴なのです。

ニューバランス社とは

ニューバランス社は今では世界中で大変人気がありますが、元々は医療用の矯正靴のメーカーとして誕生しました。履いた人に「新しいバランスと感覚をもたらす」という意味でNew Balanceという社名になったそうです。矯正靴をつくるには医学的な知識や人体の構造などの解剖学の知識、運動についての知識が必要です。ニューバランスの靴にはそういったベースがあるのです。

一般の人が目にすることはありませんが、ニューバランスには医療向け専用モデルというのがあります。私の通っている病院でもリハビリ室で見ているとニューバランスを履いている子供たちがいます。金具をつけるような補装具では無理ですが、治療用足底装具(足の形に合わせて作った中敷きのような物)を靴に入れれば良いと言う、割と軽度のまひの子供たちは、足底装具を医療向けのニューバランスの靴に入れて履いているのです。そう、治療用足底装具を入れることを前提に作られているのです。

ニューバランスは理想的な靴

ずいぶんと前の話になりますが、私が神経内科の担当医に紹介されて初めてリハビリテーション科を受診した時に、リハビリテーション科の先生が私のニューバランスの靴を見て「あ、この靴は一番理想的な形をしている」と言いました。それは今の私の担当の理学療法士さんも言っています。何が良いのかと言いますと

  • 後ろから見てソールが台形になっていること
  • ソールの上に踵が乗る形状で踵が硬い
  • 横から見てつま先が上がり過ぎていない

ニューバランスの特徴

後ろから見てソールが台形になっていること

後ろから見たソールの形状が台形になっていることで、地面に接する部分の面積の方が広く履いていてとても安定するのだそうです。

ソールの上に踵が乗る形状で踵が硬い

うまく説明できないのですが、ソールの上にかかと部分が乗ることで、私のような筋ジストロフィー患者からすると、横に力がかかった時に力が逃げるというか靴が変形するので足首周辺だけで対応できるのです。しかしニューバランス以外のスニーカーは殆どが底がウレタンでソール部分に踵が埋まっている感じですから、横に力がかかった時に足首周辺だけで対応が出来ません。そうすると膝や股関節で対応しなければならないので余計な負担がかかってしまうのです。

そして手で押してみるとわかりますがニューバランスの靴は踵部分が結構硬く出来ています。ここが硬いことで踵が固定され安定するのだそうです。ここが柔らかいと踵が安定せず余計な力が入ったり変な動きをするのだそうです。

横から見てつま先が上がり過ぎていない

ランニングシューズやウォーキングシューズは横から見るとつま先が上がっていますよね。これはこれで前への推進力を生むので歩きやすくなる訳ですが、リハビリで考えた場合、かえってそれで不安定になるそうです。つま先は上がり過ぎていないのが良いそうです。

ニューバランスの靴が正しい姿勢をもたらす

こういった事からも、ニューバランスの靴がいかに人間の体の構造や動きなどを考えて作られているのかが良くわかります。「新しいバランスと感覚をもたらす」とありましたが、それはつまり正しい姿勢と言う事なのだと思います。私もそうですが障害のある人たちはうまく立ち、歩くためにバランスを取りますが、それは決して良い姿勢ではありません。しかし医学的な知識や人体の構造などの解剖学の知識、運動についての知識に基づいて作られた靴を履くことによって正しい体の動きを覚え、体に掛かる負担を減らしながら正しい姿勢に少しでも近づこうと言う事だと思います。

極端な話、体が慣れてしまえばどこのメーカーの靴でも良いですし、実際違和感なく歩くことが出来ると思います。慣れてしまうと言う事は、その靴に合った動きを体が覚えてしまうと言う事ですので、その靴を履くことによってもし体が正しい動きをしていなかったとしたら、体が間違った動きを覚えてしまうと言う事になるのです。ということは体に負担もかかるでしょうし、将来的に関節などの変形につながってしまう可能性もあるのです。

そういった理由で私は、履くことで正しい姿勢をとれるであろうニューバランス社の靴を選ぶのです。

二代目574に大問題発生

長いこと履いてきた576が壊れてしまったのでもう会社に履いていくことは出来ません。このタイミングでお盆休みに入ったのですが、一応昨年574を購入していたのでそれを履くしかないのですがこれにもちょっと問題があるのです。

後継として574を購入

実はこの576と並行して574を履いていました。574は私の一番のお気に入りだったのですが、ご存知の通りニューバランスの靴の大部分のシリーズは表面がメッシュになっていますので、冬は風が入ってきて足が冷たくなるのです。ですから秋から冬はレザーの576を履き、春から夏、初秋まで574を履いていました。

初代574

初代574

しかしその574も底がすり減ってしまい、外側が減ってきたことで正しい姿勢を取ることが出来なくなってしまいました。自分で立っていても外側が低いと感じるほどになってしまったので、このままは履き続けても関節が変形しそうな気がしたので新しい574を購入することにしたのです。

憂鬱な慣らし期間

普通なら新しい靴を買うとなると嬉しいですよね。でも私の場合は不安しかありません。出来ることなら今ある靴の底を貼り替えて履きたいところです。というのも履き慣れた靴は柔らかく足に馴染んでいますし体も慣れているので安心して歩くことが出来るのです。しかし新しい靴はまだ硬いですし足に馴染んでいませんのでまず馴染ませるところから始めなければなりませんが、その馴染むまでの間が辛いのです。体に負担はかかりますし何かあればすぐに転んでしまうでしょう。転んだらまず自力で立つことが出来ないので転ばないようにと体に非常に力が入ります。それによって筋肉痛になったり身体が怠くなったりといった体調不良の日が続くのです。それを考えるととても憂鬱なのです。

大問題発生!

そして二代目の574を購入したのですが、当然試し履きする時は靴に紐も通っていないのでスッと履くことが出来ます。何の問題もありません。家に帰って「結ばない靴紐エクステネクス」を通して準備OKです。
結ばない靴紐エクステネクスについてはこちらの記事をご覧ください。

結ばない靴紐、エクステネクスはほどけないから障害者の私にピッタリ
私の靴紐を結ばない靴紐、エクステネクスに変えてから、靴紐がほどけることがなくなり安心して歩くことが出来るようになりました。頻繁に靴を脱いだり履いたりする方から障害者やリハビリ中の方まで広くおススメします。

そしていざ履いてみた時に大問題が発生しました。なんと・・・

足と一緒にベロが靴の中にはいってしまう

・・・のです。

後継のニューバランスM574だがベロが薄くて短い

ベロが薄く短い二代目574

まずエクステネクスを通していますし靴が新しいですから履き口が狭くなっています。それを見た時に「ちょっとベロが短いかな」と思いました。私は屈んで靴を履くことが出来ませんので、立ったまま靴に足を突っ込み長い靴ベラで踵を入れます。そうすると足と一緒に短いベロが中に入ってしまうのです。当然異物感ありありで痛みもありますから歩くことは出来ません。かと言ってベロを引っ張りながら靴を履くという芸当は出来ません。仕方なく玄関に座ってベロを引っ張り出そうとしましたが出てきません。これでは会社に履いていくことが出来ません。ベロが短いだけではなく薄いですから簡単に靴の中に入ってしまうのです。改めて古い574を見ると新しい574と違って厚い(クッション性がある)ベロでした。さすがにベロの厚さまでは考えていませんでした。それでも何とかしなければとエクステネクスを調整してみます。履き口をきつくするとベロが中に入るので少し緩めると、踵がスポスポ浮いてしまい歩くのにうまくありません。ならばと下の方をさらにきつくして履き口を緩めると、足が痛く痺れてきます。どうやってもうまくいきません。古い574と比べて横から見てみると新しい574の方が少し浅いような気がします。

絶対にはずせない条件とは

こうなったらもう休みの日に履き続けて足に馴染ませるしかありません。馴染めば履き口も少しは緩くなっていずれ楽に履けるようになると思うので、それまでの間576を履いていようと思っていたところで576のソールが剥がれてしまったのです(涙)。

今回改めてわかったニューバランスの絶対にはずせない条件と言うのは

  • ベロは長い方が良い
  • ベロは厚い物が良い
  • 深さがあった方が良い

と言う事でした。

慎重に三代目574を購入

そんな事情がありこのままではいけませんので、三代目の574を購入しようと休みの間にネットで調べて目星をつけて実店舗に探しに行き購入しました。

いくつかのラインがある574

574と言えばニューバランスのアイコンと言われるくらいのモデルです。しかし調べてみるとその574の中にはいくつかのラインがあり、その中に理想のベロを搭載したモデルがあることを発見しました。もう見るべきポイントもわかっていますし、ニューバランスでの自分のサイズもわかっていますからネットで買っても良かったのですが、買ったは良いけど何か不都合があった場合、妻に何を言われるかわかりませんので(汗)今回は慎重に現物に足を入れて確認をして購入しました。

ベーシックなデザインの574はどこにでも置いてあるのですが、今回目をつけたタイプは大型ショッピングセンターにある有名な靴屋に行ってもありませんでした。ならばと専門のスポーツオーソリティーに行ったら置いてありましたが、4色展開の中の2色しか置いてありませんでしたのでほとんど選択の余地はありませんでした。もう一方の色はネイビーでしたが履き口が迷彩色になっていましたので年齢的に無理です。一応確認のために足を入れました。サイズはOKです。ベロも長くて厚くいい感じです。何の迷いもなくこちらのグレーっぽいグリーンを購入しました。

三代目ニューバランス574

ベロが長く厚い三代目574

条件が合った三代目574

今回は緊急事態だったのですが慎重に三代目574を購入しました。運よくベロが厚いモデルがあったのでホッとしています。もしなければイギリス製の高価なモデルを買うしかありませんでしたから。そしてこの写真でわかる通り、購入前のチェックポイント

  • ベロが長い
  • ベロが厚い

どうですか?チェックポイントはOKですよね?深さはよくわかりませんが二代目よりはしっくりくる感じはします。とりあえずこれを履いてならし履きを兼ねながら通勤することになります。本当はこの三代目を休みの日に少し履いて慣れてから通勤に履きたいのですが、今回はいきなりなのでちょっと怖いのですが仕方ありません。

576はソール交換修理に

そして壊れた576ですが、ニューバランス社のお客様相談室に問い合わせたところ、ソールの貼り替え修理可能とのことでした。このサービスはレザータイプなどの上位モデルが対象のようですが、私の576はアメリカ製やイギリス製ではなかったので無理なのかなと思ったのですが、調べてもらったところ修理可能と言う事でソールの貼り替えと履き口のライニングの貼り替えの修理を頼むことにしました。現在工場は混んでいて修理には3か月近くかかると言う事ですが、冬にはまた履くことが出来るようになると思うと嬉しくなりました。上位モデル限定ですがこういったソール貼り替えが出来るのならば、これからは上位モデルを買っても良いのかもしれません。上位モデルは¥26,000前後と高価ですが、ソールを交換できるのなら自分の足に馴染んだ靴を長く履くことが出来るので靴の選択肢が少ない私にとっては有難いことです。何よりおっかなびっくり不安を抱えて慣らし履きをする必要がないので安心です。こういった事もニューバランス社の靴を選ぶ理由になりますよね。ソールの貼り替えに関してはいずれ記事にしようと思います。

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