謎の停電・漏電騒動と分電盤交換

今年の夏、我が家では謎の停電・漏電騒動がありました。夜気が付いたら「昼間停電してた?」ということが何度かあったり、さらには漏電ブレーカーがおちていたり…。ドライヤーを使おうとしても動かなかったりなんてこともありました。

結局我が家に電気を引き込む電柱のヒューズが1個切れていたのが原因だったのですが、漏電は怖いですし漏電ブレーカーは繊細らしく古くなると誤作動を起こすのだそうです。我が家は築25年ほどですからブレーカー類も古いですし、地震後の火災の原因である「通電火災」対策として分電盤を新しい物に交換しました。

新しい分電盤の外側

謎の停電と漏電

7月下旬、妻が帰宅すると電気がつきません。もしやと思い分電盤を確認すると漏電ブレーカーが落ちていました。どこかで漏電しているかもしれないのですが、とりあえず漏電ブレーカーを入れてみると今度は漏電ブレーカーが落ちません。そのまま使用し、私が帰宅してから漏電チェックをしてみました。

漏電チェック

漏電チェックは下の手順で行います。

  1. 分電盤のブレーカーをすべて落とす
  2. まずアンペアブレーカーを入れる
  3. 次に漏電ブレーカーを入れる
  4. そして安全ブレーカーを一つずつ入れる

という順です。こうしていくと安全ブレーカーを入れた時に漏電ブレーカーが落ちることがあります。それはそこに接続されている電気製品が漏電していると言う事になります。

どの安全ブレーカーが落ちるのかわかったら、次はその安全ブレーカーに接続している電気製品をコンセントから抜き、漏電ブレーカーと安全ブレーカーを入れてから一つずつコンセントに挿していきます。そして漏電ブレーカーが落ちれば、その時挿した電気製品が漏電していると言う事になります。

古い分電盤

ブレーカーは落ちるが漏電してない?

実は一昨年夏、リビングのエアコンの室外機が漏電していてエアコンを買い替えることになってしまいました。その時はこの手順でエアコンが漏電していると確定できたのですが、今回はこの手順でチェックしても漏電ブレーカーが落ちないまま全ての安全ブレーカーが入ってしまいました。「え、漏電してない?じゃ、なんで漏電ブレーカーが落ちたんだ?」。まさに「???」状態です。不思議でしたが暫くはそのまま様子を見ることにしました。

そして2週間後。妻が風呂上がりにドライヤーを使おうとして洗面台のコンセントに挿してスイッチを入れたのですが動きません。安物だからまた壊れたのかと思ったのですが、コンセントがついている洗面台の電灯もつかないのです。「?」。おかしいと思い他の部屋のコンセントにドライヤーを挿してみると、なんとドライヤーが動いたのです。と言う事は洗面台に電気が来ていないと言う事になるのですが、妻が分電盤のブレーカーを落として1つずつ上げてみると、IHコンロのブレーカーを入れた時に漏電ブレーカーが落ちました。IHコンロの漏電ということになるのですが、じゃなんで洗面台に電気が来てなかったのか?という疑問が残ります。

そんな訳でIHコンロのブレーカーを落としたままにしていたのですが、そのあと何故か洗面台の電灯がつきました。しかし今度はテレビのレコーダーの絵が出ないとか、テレビにつないでいるアンプから音が出ないとか色々なことが一斉に発生しました。結局はHDMIケーブルがなぜか外れていたと言う事が原因だったのですが、何もこんな時に抜けなくてもいいだろって思います。

さて、私が帰宅後ブレーカーの漏電テストを実施してみました。しかし今度は全く問題なく、最後にIHコンロのブレーカーを恐る恐る入れてみたのですが落ちません。「???」何度やっても漏電ブレーカーは落ちないのです。それどころかIHコンロの電源を入れてみてもブレーカーは落ちないので、全く意味がわからずお手上げです。

気持ち悪いので調べてみると、漏電ブレーカーは繊細なので古くなると勝手に落ちたりすることがあるらしいのです。まぁ築25年ですから漏電ブレーカーが古くなってるのだと思いますが、原因を特定できない以上、万一家屋内配線で漏電していることも考えられますので東京電力に来てもらい調べてもらうことにしました。

東京電力に漏電検査を依頼

そして翌日妻が東京電力に電話をして漏電検査を依頼しました。こちらに来て漏電の検査をしてもらうと¥9,000かかります。しかしチョイチョイ停電するのと、漏電ブレーカーが落ちる割にチェックしたら落ちなかったり原因が不明で不安でしたので来てもらい点検してもらいました。

停電の原因は電柱のヒューズが切れたこと

東京電力の方に来てもらい、家屋内の漏電検査をしてもらったところ、家屋内での漏電はないとのことで一安心です。でも原因がわからないので外回りを点検すると言う事で手配してくれました。午後、再び東京電力の方が来て外の電線を確認したところ、なんと電気を我が家に引き込む電柱のヒューズが1個切れていたのです。そしてヒューズを交換し、これでしばらく様子をみてくださいとのことでした。その後全く停電や漏電、電気が来ないということがなくなりましたので、今回の騒動は電柱側のヒューズが切れていたことが原因で間違いないでしょう。

今回東京電力に来てもらい、家屋内の漏電検査で¥9,000かかりました。家屋内での漏電が無いことが確認できましたし、屋外も調べてくれてその日のうちに解決したのですから納得です。そして東京電力の方に言われたのは、漏電ブレーカーは繊細らしく古くなると誤作動を起こすのだそうです。我が家の分電盤も古くなっていて、交換すると漏電ブレーカーだけ交換で約¥30,000かかり、震度5以上の地震が来るとブレーカーが落ちて通電火災を防ぐ新しいタイプの分電盤に交換すると約¥100,000かかるのだそうです。とりあえず正式見積りをもらうことにしました。

漏電ブレーカーが切れたのは老朽化によるもの?

そして今回の停電・漏電騒動ですが、東京電力の方の説明では、漏電ブレーカーというのは流れる電気の上限値を超えた場合に落ちるのですが、下限値を下回った場合でも落ちるのだそうです。今回、電柱側のヒューズが切れたせいで流れてくる電流が不安定になり、下限値を下回ったために漏電ブレーカーが落ちたということになるようです。細かいことはよくわかりませんが、ザックリ言うとそんなことのようです。

気になったのでネットで電柱側のヒューズが切れた場合を調べてみると、電柱側のヒューズが切れた場合「ブレーカーが落ちずに停電した」と皆さん言ってます。そういえば、ブレーカーが落ちてなくて、帰ったら電気製品の時計やタイマーなど何かがリセットされていて昼間停電したことに気付くということが数回ありましたがこれはそういうことだったんでしょうね。それと妻が洗面台のコンセントではドライヤーが使えなくて、他のコンセントに挿したら使えたのも納得です。

しかし安全ブレーカーを入れた時に漏電ブレーカーが落ちたのはなぜでしょうか。それでも時間をおいて再度安全ブレーカーを入れても漏電ブレーカーが落ちないのはなぜでしょうか。うーん、ちょっとわかりません。そうなるとやはり一番考えられるのは漏電ブレーカーの老朽化による不具合と考えるのが正しいのかもしれません。

分電盤交換の費用

そして1週間後、東京電力の担当の方から連絡があり、先日の点検後の経過確認と見積りをもらいました。

  • 漏電ブレーカー交換(感知機能なし)¥29,500
  • 分電盤交換(地震感知ブレーカー付)¥89,300
  • 工事(停電)時間は約3時間なので冷蔵庫は問題ない
  • 工事は平日のみだが時間は午前中などの指定はできる

また1週間後に電話をくれるので、それまでに決めなければなりません。

漏電ブレーカーのみの交換で¥29,500かかるのなら、近々来るであろう大地震に備えて地震感知ブレーカー付きに変えてしまったほうが安心なので、分電盤を交換することにしました。地震感知ブレーカーと言うのは停電復旧後の通電を開始した時の通電火災を防ぐためのもので、震度5以上の揺れを感知するとブレーカーが落ちるようになっています。過去の阪神大震災など大きな地震があった時の火事の一番の原因が通電火災によるものでした。倒れた暖房器具に通電し火事になったり、倒れた家具などで電気製品のコードが損傷し、通電と同時にショートして出火したものです。自宅にいてこの地震感知ブレーカーが落ちた場合、問題なければ自分で復旧させれば良いですし、避難しなければいけない場合はそのままにして避難できます。

そして1週間後に東京電力から連絡があり分電盤交換を依頼し工事の打ち合わせをしました。色々な事情があり(笑)、工事は10月にすることにしました。もらった見積り有効期限は1ヶ月だったのですが、見積ってもらった価格(¥89,300)で契約です。

我が家はオール電化なので契約は60Aです。今付いている漏電ブレーカーは50Aですが、交換すると漏電ブレーカーは40Aになるそうです。契約している60Aと言うのは家で使う電気の合計が60Aまでということなのですが、漏電ブレーカーと言うのは右側の安全ブレーカーの上段又は下段の合計で40Aになったらブレーカーが落ちるという事であり、あくまでも幹線保護が目的なので日常生活には支障がないとのことです。

新しい分電盤のブレーカー類

分電盤交換工事

そして10月、分電盤交換工事をしました。予定では3時間かかると言う事でしたが、実際には1時間半で終わりました。新しい分電盤には監視のランプが付いていて、震度5以上の揺れを感知するとブレーカーが落ちブザーがなる仕組みになっています。何も問題なければその場でリセットボタンを押せば復旧しますし、避難しなければならないときはそのまま放置して避難できます。自分で復旧しなければ通電しませんので、停電が復旧しても通電せずにそのままなので通電火災を防ぐことが出来るのです。

古いとはいえこの家は後々子供が引き継ぐと思いますので、安全面なども考えて分電盤を新しい物に交換しました。誤作動で漏電ブレーカーがチョイチョイ落ちても困りますし、実は本当に漏電していたと言うのではシャレになりませんから、どちらにしても漏電ブレーカーは交換しなければなりませんでした。そして近い将来、関東地方では東京直下型地震や千葉東方沖地震など巨大地震が起こると言われています。東日本大震災の時でもこのあたりは震度5以上の揺れがありましたし、過去の阪神大震災など大きな地震があった時の火災の一番の原因が通電火災によるものでしたから、念のため備えておこうということです。

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