50代も半ばを過ぎて、つみたてNISAを始めました

私はもうすぐ57歳になりますが、つみたてNISAを始めました。

投資のイメージ

この歳になって突然どうした?って感じですが、今まで投資とか資産運用とか全く気にしたこともなく、銀行の定期預金くらいしかやったことがありません。将来のことも漠然としか考えていなかった自分。2018年の暮れに、ひょんなことから証券投資のことを考えることになったのです。きっかけとなったのは藤沢久美さんのブログでした。

証券投資って必要だと思いますか?

証券投資って、必要だと思いますか?|Kumi Fujisawa
私の仕事の一つに、証券業協会(この協会、ご存知ですか?)の「金融経済教育支援委員長」というものがあります。 金融経済教育支援委員会の金融教育支援には大きく二つの柱があります。一つは、学校向けで、もう一つは、社会人向け。 学校向けでは、学校へ出前授業に行ったり、先生向けのセミナーを行ったり、教育指導要領が変更される際に、...

藤沢久美さんは一応経済評論家となっていますが、政府の各種委員会に参加していたり、Jリーグの理事をされていたり、企業の社外取締役をされていたりとその活動は多岐にわたり、一言で言い表すことができないのですが、コメンテーターとしてテレビに出られたりしているのでご存知の方もいらっしゃると思います。

その藤沢久美さんは社会に出た時から投資信託や株に縁があったそうで、当たり前のことのように投資をしていたそうです。そして証券業協会の金融経済教育支援委員長をされていて、証券投資を広める活動をされているのですが、アンケートによると75%の人が投資は必要では無いと思っていて、果たして証券投資は人生において必要なのかと思ったそうです。

しかし私のような証券投資に縁もなく育った人間には、証券投資と言われてもお金の余っている人が株で運用するというイメージしか思い浮かびません。時間をかけて運用し自分の将来に備えるという概念はありませんでした。今と違って私が育った時代に投資をしようと思ったら、証券会社や銀行などの金融機関に出向いて話を聞かなければなりませんでしたし、平日にそんなことはできませんでしたので投資と言うのは素人がやる物ではないと思っていました。

自分は全く証券投資などに縁もなく生きてきましたが、もし自分が若い時から証券投資をしていたら今頃自分はどうなっていたのかとふと思ったのです。それはやはり50も半ばを過ぎ、迫り来る自分の老後に対する不安があるからこそ、そんなことを思ったんだと思います。そう考えたら俄然証券投資に興味を持ってしまったのです。

投資を取り巻く環境の変化

ます投資を始めようとした場合、その知識が無ければ、証券会社や銀行に出向き、相談しなければなりません。しかしこれは少し敷居が高く感じます。知らないが故に変な商品を押し付けられるのでは無いかという不安がありますし、実際問題として最近では高齢者がそう言った商品を買わされているという現実もあります。

そして相談は無料ですが、相手も営利企業ですから金融商品にはそれなりの手数料が乗ってきます。昔のような右肩上がりの経済成長をしている時なら良いとしても、少子高齢化が進み経済成長も感じられない今の時代に高い手数料を取られて果たして最終的にその投資がプラスになるのかどうか疑問です。

しかし、現代はネットの証券会社や銀行があり、わざわざ出向かなくても投資できる便利な時代になりました。気軽に投資をすることができるのです。とは言え窓口に出向かなくとも投資ができるということは、その分自分で勉強をし知識を蓄えなければならないということです。でも勉強さえすれば金融機関の高い手数料が必要なくなりプラスになる可能性が上がります。

さらには投資を続けてきた個人投資家の皆さんがブログで情報提供してくれていますので、非常に参考になります。これは金融機関がサイトに載せている説明書とは違い、失敗談も含めて実際に経験したことですからとても貴重な生の情報なのです。そういった事も含めて現代は情報があふれています。自分で情報を手に入れようと思えば簡単に手に入れることが出来るのです。しかしその情報の信ぴょう性については疑ってかからなければいけません。頭から信じるのではなく、一つの意見として受け止め、さらにたくさんの意見を見て自分でその情報の真偽を見極める必要があります。情報が簡単に手に入るからこそ大変な作業ではありますが、これからの時代はそれが出来る人間だけが勝ち残れるのではないかと思います。ボーっと生きていたら取り残されると言う事です。

つみたてNISAを始める

そう考えて見てみると、環境的には誰でも証券投資ができる時代になっています。あとは興味を持って本人が一歩踏み出して証券投資をするかどうかです。そういった意味でとても良い時代になりました。しかし証券投資でババをひかないため、カモにならないためには勉強し、自分にあった投資のスタイルを見つけることが必要です。欲をかかなければ将来資産を増やすことはできそうな気がします。もちろん投資ですから状況的には下落する局面もあるでしょうから100%大丈夫ということはありません。

投資のイメージ

そして自分なりに色々調べた結果、自分には多くの資金があるわけでは無いですし、かと言って企業の業績を分析する時間もないので個別株は無理だと思い、投資信託が良いのでは無いかと思ったのです。2018年からつみたてNISAという制度が始まりましたので、タイミング的にもちょうどよかったのです。銀行に預けていても普通預金の金利は0.001%です。100万円預けても1年で10円にしかなりません。それでも銀行に預けますか?

つみたてNISAとは

つみたてNISAというのは年間40万円の定期的な積立投資によって得られた売却益や分配金の運用益が20年間にわたり非課税になるという制度です。通常、株などの売却益には20.315%の税金がかかりますが、このつみたてNISAの制度を利用すれば、その税金がかからないのです。そしてその投資信託は、購入手数料がかからない(ノーロード)もので、信託手数料も低く設定されているという金融庁が厳選したものですから、初めて投資信託をする人でも安心して出来るものになっているのです。詳しいことは金融庁のサイトで確認してみて下さい。

つみたてNISA : 金融庁
NISA(少額投資非課税制度)のしくみや投資について基本から解説します。つみたてNISAとは、TODO

投資信託は長期保有が基本

今回証券投資について調べ、色々なことがわかりました。そして思ったのは自分がせめてあと20歳若ければなぁということです。投資信託でプラスにするには何が一番大事かといえば、それは時間です。投資信託は分配金を再投資することで複利で運用することが出来ますから、長く保有すればするほど雪だるま式に増えていくのです。投資信託は早く始めるほど投資する時間がありますから、かなりの確率で資産を増やすことができると思います。もちろん選ぶ商品にもよりますけれども。

私のように50歳半ばを過ぎると残された時間も少なく、自分が働ける時間というのが残り少ないのでちょっと残念な気がします。しかし人生100年と言われますがそこまでは無理としても、日本人の平均寿命を考えたらまだまだ時間は十分にあります。そう考えたら人生の一番最後に後悔したくなかったので、今からつみたてNISAを始めようと思いました。とは言っても時間が少ないのですぐに動かなければいけません。

少子高齢化と年金制度の崩壊

今、日本は大変な時期を迎えています。将来的に年金制度が破綻するのではないか、ということです。

労働人口の減少

この先さらに少子高齢化が進み、働ける人口が減れば年金制度を維持することはかなり厳しいと思います。制度がなくなることはないでしょうが、老齢年金支給開始時期がさらに延ばされ、受け取る年金の金額も減額されることは容易に想像できます。働ける世代の人口が減るわけですから、当然消費も減り経済活動も鈍ります。そんな事もあって政府は一億総活躍社会とか女性の社会進出などと耳あたりの良い事を言って多くの労働人口を確保しようとしているのでしょう。

また、人手不足対策としての外国人労働者問題も取りざたされています。仕事がなくて困っている人もいるわけですから、まずはそこじゃないかと個人的に思います。しかし政府の狙いはそこではなく、働ける人数を劇的に増やしてお金を使わせることで経済活動を活発にさせようということなのだと思います。

何も生まない預貯金

そして日本の家計の金融資産は約1,800兆円で、そのうち預貯金が約900兆円と実に半分を占めています。こんな国は世界でも日本だけです。政府としてはこの預貯金を証券投資に回してもらい、市場にお金を流そうとしているのだと思います。それが「ideco」であり「NISA」や「つみたてNISA」と言った制度なのです。実際、銀行に預けていても金利0.001%ですから何も生みだしていないのと同じです。だったら自分が持っているお金に外へ出てもらい、働いて稼いでもらうのが良いですよね。

アメリカなどでは個人が投資信託などで資産運用するのが当たり前の社会のようですから、預貯金の割合は高くありません。しかし、日本の場合は年金制度があり、高度成長からバブル崩壊までは経済も成長して国民の収入も着実に増えていましたので個人が投資信託する必要もなかったのです。投資といえばお金がある人がするものというイメージがありました。しかし、バブル崩壊後、日本の経済はその力を失い、株価も未だにバブル期を上回ることができていません。むしろ少し上がってからの横ばいです。つまり、日本の市場はすでに成熟してしまい、少子高齢化もあってもはや伸びが期待できないのです。そのための対策として

  • 年金無理だから長く働いてね、という一億総活躍社会

であったり、

  • 自分の将来は自分で責任持ってね、という「ideco」や「NISA」や「つみたてNISA」

なのです。

とは言ってもそこは国ですから、国として消費活動を活発にする世代を増やすことを含めた外国人労働者の確保なのだと思います。

自分の将来は自分で作る

そして思ったのは、「国がなんとかしてくれるだろう」という希望的観測を捨て、自分の将来は自分で作るということが必要な時代になったということです。私の場合は年金支給まで10年切りましたので、いきなり年金がなくなるということはないと思いますが、削られることはあるかもしれませんので、今からつみたてNISAを始めようと思いました。もちろん減額されなくても年金収入だけで生活していくのは難しいですから、その時に備えてという意味なのですが、今からつみたてNISAを始めて20年経ったら75歳の後期高齢者になった頃になりますので、その時の足しになれば良いと思いつみたてNISAを始めることにしたのです。もちろんそこまで生きるという前提ですが、そこまで生きていなくても、それまで積立てた分は妻が使ったり、子供に残すこともできますから無駄にはなりません。ただ、途中でつみたてを続けられなくなるという可能性もありますが、そこまで心配してもしようがないので、それはそうなった時に考えることにします。

よく老後に必要な資金として、2000万とか3000万と言われますが、それは65歳になった時に全額必要になるものではありません。65歳で年金を受給し、足りない分は預貯金を取り崩すわけですから、そこでなんとか10年頑張って、75歳くらいでつみたてNISAを利用して貯めたものを取り崩して生活費に当てることができるので、それを目指して妻と一緒にこれから資産運用していこうということになったのです。

全てを投資に回すことは危険すぎるので最低限のキャッシュは持っておくとして、他にもわずかですが余裕資金があるのでそれをつみたてNISAとは別に10年運用して来たるべき年金受給開始に備えるつもりでいます。

子供達の将来のために

先程、私が考える日本の将来を書きましたが、この問題は私の子供たちの世代にとって非常に大きな問題になるはずですので、将来を見据えた証券投資をしなければ悲惨な老後が待っているのは明らかです。子供たちと将来について話し合い、証券投資で自分の将来を作らせようと思っています。そのためにもネットで読んだ記事だけで話すのではなく、実際に自分も証券投資をやった上で話したいと思っています。

そんなわけで、年末に藤沢久美さんのブログを読んで心に何かが引っかかり、証券投資について考え始めました。もしブログを読んでいなければつみたてNISAを始めることも、自分の将来について真剣に考えることもなかったでしょう。確実に老後破産に向かっていたことと思います。皆さんもこれを機に将来について考えてみて下さい。

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