2011年の東日本大震災の後、計画停電やたびたび発生する余震の影響で電車が遅れることによる混雑などを避けるために車通勤になりました。あれからもう8年経ち毎日ほぼ同じルートを走っていますが、同じルートを同じ時間に走っているからこそ感じることがあります。
カーナビの弊害
今はどの車でもカーナビがついていると思います。案内してくれるカーナビがあることで初めて行くところでも安心して行くことが出来るので助かるのですが、それによる弊害も出てきています。
こんなところに大型車が
カーナビはルートを設定すればすいてるルートを探してくれます。それはとても便利なのですが、車種によってはそれが災いします。たとえばカーナビに車種の設定をしなければ、カーナビはその車の大きさを一般的な車と考えます。そうなると大型車が入れない道に大型車が入ってきます。見てれば行けそうかどうかわかりそうなもんですが、細い道に大型トラックやトレーラーが入ってきて最終的に身動きが取れなくなり大渋滞を引き起こします。
ガードをくぐれなかったり細い道にはまって対向車とすれ違うことができなくなって立ち往生。嫌と言うほど見てきました。見てきたわけですから、私はその場にいたわけで足止めをくらったのです。帰りならまだ良いのですが、朝は困ります。毎朝始業の2時間前には家を出るのですが、それでも遅刻をしてしまいます。電車通勤なら遅延証明書が出るから良いのですが、車通勤の私の場合はそんな物でませんから普通に遅刻扱いになります。
身動きが取れなくなると、結局大型車はバックしなければならないのですが、道も狭く車の数も多いですからそう簡単にはバックできません。バックするにしても後ろは大渋滞していますから、対向車線側をバックしていくしかありません。結局警察を呼んで交通整理をしてもらいながらバックするしかないので、その場で足止めされている人は警察が来るまでは身動きが取れなくなるのです。
対向車が来るたびに止まる車
カーナビはすいているルートを案内しますから、場合によってはいわゆる「抜け道」を案内する場合があります。現に私が走っている土手沿いの細い道の交通量はこの8年間で倍以上になっています。いや、3倍以上かな。そうなるとそのセンターラインの無い細い道に車幅感覚のない車も入り込んできます。夜は細いうえに真っ暗な道ですから走るのにも気を使います。そうなると対向車が来るたびに止まってしまう車があるのです。とにかく車が来るたびに止まるので、なかなか進みません。表通りが混んでいるからカーナビが抜け道を選んだのでしょうが、これなら混雑している表通りを走った方が早いんじゃないかと思います。
さらには前から車が来ない直線だと異常にスピードを上げるのに、対向車が来ると止まりそうになる車とか。スムーズな運転が出来ない車が多くなってきています。ブレーキを踏めばと思っているのでしょうが、本来不要なブレーキは危険ですし渋滞の原因にもなります。車間距離をとってアクセルでスピード調節をするような運転をしてほしいものです。
変わる渋滞ポイント
決まったルートを走っていると、交通量の増加とともに渋滞するようになってきます。すると私は渋滞ポイントを避けるべくすいている新しいルートを探します。私は社会に出てからずっと営業として毎日都内を走り回っていましたので道路地図は必需品でした。ですから混みだすと道路地図を見ては行けそうな道を探していましたから、新しい道を探すのが習慣になっています。今の時代、パソコンで地図を見ればすぐに探せますから便利ですよね。
そしてその新しいルートを利用していると、翌年にはその道も混むようになります。そしてまた新しいルートを探すのですが、そのルートが混んでくると一番最初のルートが空いていたりして通るルートが元に戻ります。最初は不思議に思ったのですが、結局は皆考えることが同じだと言う事です。混むから他の道に移っていくから最終的に最初に走っていた道が空くと言う事です。
車間距離をとらない車
これはここ1~2年でかなり増えましたね。自分が早く行きたいからなのかどうかわかりませんが、とにかく前の車にぴったりくっついて走っているんです。ですから当然のようにちょこちょこブレーキを踏んでいますし、前の車がちょっとでも強くブレーキを踏もうものなら、後ろの車のことなど考えずに急ブレーキを平気で踏みます。危険ですし疲れないのかなと思います。しかも前の状況が見えないと危ないですから、前の車より右側にはみ出してますよね。私の後ろにくっついて右にはみ出している車もたまにいますが、もしこちらも右に寄って前が良く見えない状況にしたら車間を空けるのでしょうか。
それと驚くのが高速道路での車間距離。私は定期的に病院に通っていますが、遠いので外環道を利用しています。若くもないので左側車線をのんびりと制限速度の80㎞で走っていますが、右側車線を100㎞以上のスピードで車が何台もくっついて走っていくのを見かけます。車間距離は一般道で30㎞くらいで走っているくらいの距離です。何かあったらほぼノーブレーキ状態で前の車にぶつかる距離ですが、そういったことは考えないのですかね。「もし前の車がブレーキを踏んだら」とか。その速度で走っていて前の車が急ブレーキを踏んだとして、
- 前の車のテールランプがつきました
- 慌てて自分がブレーキを踏むのにどれくらい時間がかかるのか
- その間どれくらい自分の車は進むのか
当然前の車は急ブレーキを踏んでいる訳ですから、一気に近づいてきます。そう考えたら怖くてそんな車間距離では走れませんよね。
実際にあったことですが、外環道の何もない直線部分の右側車線で車4台がきれいにまっすぐぶつかっていました。1台たりとも横向いたり斜め向いている車はありません。ピッタリとくっついて高速で走っていて、何かの理由で先頭の車が急ブレーキを踏んだんでしょうね。
これに限らず現代社会は想像力のない人が増えているように思います。みんながちょっと想像力を働かせるだけで気分よく過ごせる社会になる気がするのですが。
ブレーキを踏んでから合図を出す車
突然ブレーキを踏んで「なんだなんだどうしたどうした」と思ったら、曲がりながら合図を出す車の多いこと。いや、多すぎです。空いている道路なら自然と車間距離も広くなるのでまだ良いのですが、都内など交通量の多いところでは自然と車間距離は狭くなります。そんなところで急にブレーキを踏んで曲がられても危ないだけです。本来交通ルールでは右左折の場合はその30m手前、進路変更の場合は3秒前から合図を出さなければなりません。つまり合図が遅いだけではなく順序も逆なのです。
右左折や進路変更の前に合図を出すと言うのは、自分の意思表示なんです。「曲がりますよ」「進路変更しますよ」と言う自分の意思を後続車に示し注意を促すための物なのです。それがあるから事故にならないんです。私も35年以上毎日車に乗っていますが、わざわざ自分から積極的に事故る人はいません。むしろちょっとした事での貰い物の事故の方が多いですし、怖いんです。事故になったらどっちが悪いとかもありますけど、車が傷ついたり場合によってはケガもします。怪我をしなくても気分は悪いですよね。そうならない為にも、自分が事故に巻き込まれないためにも自分の意思表示は大切なのです。
あとは夕方の点灯ですよね。まだ明るいからといって点灯しない車も多いですが、事故は夕方の薄暮の頃に多くなります。それは空はまだ明るいのに建物の陰などは薄暗くなっているのですが、人間の目は明るい方に露出があってしまいます。そうすると目に光が入らないよにするので暗い部分が潰れてしまいます。写真でもありますよね、暗いところが潰れてしまっている写真。あんな感じになるので見にくくなるのです。当然ドライバーだけではなく歩行者や自転車も見にくくなっているのです。車がいないと思って飛び出してきたり突然左側から真ん中に出てきたりするのです。やはりここでも早めに点灯することで「ここに車がいますよ」と言う事を知らせることで事故を未然に防ぐことが出来るのです。いくら見にくくてもライトが付いていれば車がいることに気が付きますからね。
道路が空いていれば何キロ出してもいいと思っている車
やはりこれもここ1~2年でだいぶ多くなりました。私が通勤している道で田舎の方だと道が広くて歩道も広く、まわりは田畑なので見通しの良い信号のない道路があって、みんな大体時速60㎞で走ることになるのですが、そこで前の車がみるみる小さくなってあっという間に見えなくなると言う事が多々あります。感覚的には80㎞どころではないですよね。びっくりします。一般道路であって高速道路じゃないんですから。どんなに車の安全性能が上がっても車は急には止まれませんから。
車の安全性能の向上と人間の安全意識の低下
車間距離をとらない車やぶっ飛ばしていく車と言うのは、車の安全性能が上がるにつれて増えているように思います。ブレーキを踏めばロックせずに止まれるという安心感ですかね。私が乗り始めた頃の車は
- ブレーキは強く踏むとすぐにロックする
- ブレーキは長く踏んでいると効かなくなる
- 雨の日はちょっとでもブレーキを強く踏むとロックする
- 昔のブレーキは今ほどきかなかった
- フェンダーミラーで死角があった
っていう今では信じられない性能でした。ブレーキなんてひどい物で、強く踏めばロックするし、坂道を下りるのにずっとブレーキを踏んでいるとそのうちきかなくなるんです。だから当たり前のようにエンジンブレーキを使っていました。極端な話、「ブレーキはあまりきかない」もんだと思っていたのでエンジンブレーキを多用し、急ブレーキを踏まなくて良いように車間距離をとっていました。ミラーもドアミラーではなくフェンダーミラーでしたから、必ず死角が出来るのでみんな当たり前のように目視で確認していました。性能が悪いからこそみんなが注意していましたし譲り合いの心もあったのではないかと思います。
しかし今は車の安全性能が上がり、ブレーキを踏めば車はすぐに止まるもの、タイヤはロックしないで止まるもの。そういった前提で運転しているように見えます。それこそ人がいれば勝手にブレーキがかかったりするわけですから。人間が車を完全に信頼してしまっています。車の安全性能が上がるにつれ車を運転する人間の安全意識がどんどん下がっているように思います。譲り合う心も無く我先にと自分勝手な運転をしています。自動運転なんて各社で競っていますが、本当にそれで良いのでしょうか?
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