筋ジストロフィーの進行とともに、腿や腰やお尻の筋肉が衰えていきます。その中で唯一筋肉が残っているのがふくらはぎ。他に筋肉が無い分をこのふくらはぎがカバーしてくれています。このふくらはぎの筋肉が衰えた時、私は車椅子を使う事になります。ですからふくらはぎは私の生命線なのです。
全ての衝撃を吸収するふくらはぎ
人は歩く時膝や足首を曲げ腿の筋肉で衝撃を吸収しています。衝撃が弱ければ軽く膝を曲げ、衝撃が強ければ深く曲げることで吸収しています。しかし私のような肢体型筋ジストロフィー患者の場合、体の近位筋(体幹から近いところの筋肉)から衰えていきます。腹筋、背筋、腰やお尻まわりの筋肉群から腿の筋肉が衰えていきます。特に腿の筋肉って人間の動作に置いて非常に重要なのですが、その筋肉が衰えることで階段を上れなくなったり、座ったら最後立つことが出来ませんし、当然中腰になることも出来ません。歩く時も足をついた時の衝撃を膝を曲げて吸収するのですが、それが出来ないため膝折れして転んでしまいます。その衰えた腿の筋肉の代わりに働くのがふくらはぎの筋肉なのです。
健常者の方は地面に足をついた時の衝撃を膝を曲げて吸収するのですが、それをふくらはぎの筋肉で代用しています。どういう事かと言いますと、軽い衝撃の場合は膝が曲がらないように膝をロックします。階段を下りる時など強い衝撃がかかる場合、まずつま先を伸ばした状態からつま先で着地します。その時にふくらはぎに力が入った状態で、伸ばした足首を曲げていくことで衝撃を吸収しているのです。感覚としては立った状態からつま先立ちになり、ゆっくりと踵を下ろしていくイメージです。その時ふくらはぎの筋肉を使いますよね?あんな感じの動作です。
ちょっとした事でふくらはぎが攣る
ですから歩いたり立ったりするのにふくらはぎの筋肉が大回転しているわけですから、常にふくらはぎの筋肉に負担がかかっている状態になっています。そのせいか最近ではちょっとしたことで左足ふくらはぎの筋肉が攣ってしまいます。
- 朝起きて布団の上に胡坐をかこうとして足を引き寄せた時
- お風呂で体を洗い足をちょっと曲げた時
本人としては決して力を入れたわけではなく、足を引き寄せたくらいの感覚なのですが攣ってしまうのです。他には今日もそうだったのですが、何もしていなくても左足ふくらはぎの筋肉がずっとキュって収縮しているのです。ちょっと力を入れたら攣るだろうなという感じです。そんなときは布団に入っても危険な状態が続きちょっとした事で攣ってしまいます。
数日前にも布団に入ってふくらはぎの違和感が痛みに変わり、攣ってしまいました。そうなったらどうすることも出来ないのですが、早いこと伸ばさないと確実に筋肉を傷めてしまいます。しかし無理に動くと余計に攣ってしまうのでうかつに動けません。とっさに体を布団の上で下の方へズリズリと移動し、壁に足の裏をつけてふくらはぎを伸ばしましたので、軽く攣った程度で済みました。しかし違和感はずっとあるので暫く冷たい壁に足を押し付けて伸ばした状態にしていました。
理学療法士に相談
先週、3ヵ月に一度の経過観察で病院へ行きったのですが、その時にリハビリ科でPT担当の理学療法士さんにそのことを伝えました。ふくらはぎを触ったりしてでた回答は、「腿の筋肉が無い分負担がふくらはぎにかかってしまっている」ということでした。毎日の生活の中ではスポーツ選手のようなケアは出来ませんから、ふくらはぎの筋肉が硬くなったままで回復出来ていないことが原因です。筋肉痛になるような運動も筋肉を破壊しますが、筋肉に負担がかかり過ぎて硬くなったままの状態が続いても、筋肉がなくなっていくそうです。ですから筋肉のケアも必要ですが、必要以上に負担がかからないように負担を減らすことをしなければいけないそうです。それには筋肉に沿ってキネシオテープを貼ったり、サポーターをしたりすることで筋肉にかかる負担を減らしてあげるのです
筋肉の負担を減らすアイテム
という訳でこれからは筋肉の負担を減らすための工夫をしなければなりません。何をするか考えた結果
- キネシオテープを貼る
- カーフタイツをつける
この二つです。この二つでふくらはぎにかかる負担を軽くしようと思います。もちろん日常の筋肉のケアとして毎日のマッサージや温熱を行います。
キネシオテープ
最近背中や腰の痛みの回復に使用しているキネシオテープ。これをふくらはぎの外側のとても硬くなっていていつも攣る部分に貼ってみます。キネシオテープについては最近記事に書いていますのでそちらをご覧ください。
カーフタイツ
カーフタイツと言うのはふくらはぎ部分だけの着圧タイプのタイツの事です。私はカーフタイツをいくつか持っていますが、日常的には使っていませんでした。どちらかと言うと「今日は歩くぞ」と言うようなふくらはぎに負担がかかりそうな日につけていました。2種類のカーフタイツを持っているのですが、私の中ではそれぞれ用途が違うのです。
C3fitゲイター
C3fitは運動機能の向上と身体機能のケアを追求した日本のブランドです。これは運動する時につけるものなのですが適度な着圧があるので筋肉のブレを防ぎ筋肉の負担を減らしてくれます。今回はこれを毎日、朝から帰宅するまでつけようと思います。
SKINSカーフタイツ
SKINSはオーストラリアのブランドですが、オーストラリアと言う国は南半球に浮かぶ島ですから、アスリートが各種大会に出場するには常に飛行機での長時間の移動が必要で、コンディションを整えるのが大変でした。そういった背景があって開発されたものですから運動のサポートだけではなく疲労回復などのリカバリーにも優れているのです。ですからSKINSのカーフタイツもC3fit同様日中つけても良いのですが、SKINSの場合は就寝時に着用しても良いので今回は就寝時に着用しふくらはぎの疲労回復を図りたいと思います。
まずは1ヶ月試してみる
アイテム的には全て揃っていますので、すぐに始めたいと思います。ただ私の場合、冬の間は着替えと言うよりも重装備を身に着けると言った方が正しいくらいなので、更に着替えに時間がかかりそうです。
- カーフタイツ
- タイツ
- 靴下
- レッグウォーマー
- 足首ウォーマー
- 裏付きのズボン
寒さ対策もあってこれだけのものを毎朝身につけなければならないので着替えに結構時間がかかります。実際にはこれでも寒いんですけどね。
キネシオテープとカーフタイツでまずは1ヶ月続けてみようと思います。これで少しでもふくらはぎの筋肉がほぐれて楽になってくれると良いのですが。
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