昨年に続いて今年もまたBLUE GIANT NIGHTS 2019@Blue Note Tokyoへ行ってきました。もちろん目当ては上原ひろみですが、オーディションウィナーの子たちのレベルが高くとても楽しみなイベントでもあります。
筋ジストロフィーの私はなかなかライブに出かけることが出来ないのですが、このブルーノート東京だけはホスピタリティ―が素晴らしく、安心して行くことが出来る場所なのです。昨年のBLUE GIANT NIGHTS 2018はこちらの記事をご覧ください。
今年もキャンセル待ちからのチケットゲット
今年もBLUE GIANT NIGHTSの知らせがありましたが、個人的に今年も上原ひろみは絶対出ると思っていました。なぜなら今年は1年以上に及ぶ休養明けでソロ活動の年に当たり、しかも10月からワールドツアーが始まりますからその前に景気づけではないですが、このBLUE GIANT NIGHTSに出演してからワールドツアーに出るのはむしろ自然な流れだと思っていたからです。
しかしチケット代が高いので万が一出演しないと喜び半分になってしまうので躊躇してしまいました。私はブルーノート東京の座席はサイドボックスしか選べません。と言うのも普通のテーブル席では座ったら最後立つことが出来ないからなのですが、このサイドボックスはフロアの両端の最後列にあるのでフロアから10cm程高くなっていて、しかもソファになっているのです。コの字型のソファを半分で仕切っているのですが、L字型の分座席は広いので最悪立てなくてもソファの上で這いつくばって立つことが出来るのです。
しかし今年店内が改装されたようで、両側にあったサイドボックスは左側だけになってしまったようです。右側はペアシートになってしまったので、サイドボックスの数が減ってますます競争率が高くなってしまいました(涙)。そんなサイドボックスは¥14,160/人ですから、上原ひろみが出るかどうかわからない状態で賭けに出ることは出来ませんでした(汗)。
しかしやはり後日上原ひろみが出演するとの発表があり申し込もうとしましたが、すでにサイドボックスは売り切れていました。いつもの事ですけどあとは粘り強くキャンセルが出るのを待つしかありません。毎日のようにイープラスのサイトを覗いているとついにキャンセルが出ました。たまたま会社で見たのですぐに仕事を中断して(スマン)、速攻で申し込み何とかサイドボックスをゲットしました。ホッとしながら再びイープラスのサイトを見てみると、サイドボックスは完売になっていました。たまたま1組分のキャンセルが出ていたようなので、本当に運が良かったと思います。
そして公演当日車で行ったのですが、ブルーノート東京がある南青山6丁目界隈は脇道が狭くそこかしこに小さいコインパーキングがありますが、どこも駐車料金が高くしかも最大料金と言うのがありません。つまり止めただけ駐車料金がかかると言う事です。障害があるとそういった費用もみなければならないのが辛いですね。ちなみにブルーノート東京に行くと駐車料金は毎回約¥5,000かかります(涙)。
そして今回は15時開場、16時開演の1st Showだったのですが、15時ちょっと前につきました。私は階段がダメなのでエレベーターをいつも利用させてもらうのですが、開場時間までに正面で写真を撮りながら時間が来るのを待ち、開場時間になり1F入り口前から電話を入れてスタッフの方に迎えに来てもらいました。
そして脇の通用口から入りエレベーターでB2Fのクラブへ案内してもらいます。今回はブルーノート東京での予約ではなくイープラスで取ったのでB1Fのフロントでチェックインをしなければいけないのですが、先にホールに案内してくれて私は席に残り妻がスタッフの方とB1へ行ってチェックインをしてきました。
そして16時開演までゆっくりと食事を楽しみます。決してお安くはないのですがフレンチが楽しめますし、ディナーコースを楽しむこともできるのです。妻とはなんだかんだ年に一度は来ているのでステージだけではなく食事も楽しむことにしているのですが、だいたいいつも決まったメニューになってしまいます(笑)。それでも公演ごとにオリジナルメニューがあるので食事は十分に楽しめます。いつかはディナーコースも食べてみたいですね。
BLUE GIANT NIGHTS 2019スタート
さて食事を楽しんでいるうちに開演時間が来ました。照明が落ちいよいよ開演です。コミックBLUE GIANTの作者である石塚真一さんのMCで開演します。
Ascension (Audition Winner)
まずは今回のイベントに合わせて行われたオーディションを勝ち抜いたオーディションウィナーのバンドの演奏からスタートします。ドラムの子がなんとまだ中学生で他のメンバーは高校生と言うバンドですが、すでにバンドとして活動していてあちこちでライブもやっているようです。
Ascension
- 佐々木諒太(サックス)
- 菊池冬真(ピアノ)
- 山本修也(ベース)
- 片山晴翔(ドラムス)
しかし始まっていきなり出てきて至近距離に観客がいるのにあの演奏には驚きました。今の子たちは度胸があると言うか、私の世代では考えられません。もちろんバンドとしてライブをやっていると言うのもあるでしょうが、あの距離ですからね。以前B’zの松本孝弘の公演をブルーノート東京で見た時に「お客さんが近くて目が見えるから恥ずかしい」と言っていました。一人一人の目が見える距離ですし、いつもライブでやっている時の客層と違って自分の親やその上の世代の人が多いですからさぞかし緊張したと思います。
演奏したのは2曲だけでしたが、トップバッターであの距離感でそれぞれがソロをとってあの演奏とは驚きました。さすがオーディションウィナーのバンドです。普通に演奏するのが当たり前という感じでした。まだまだ若いのでこれからが非常に楽しみです。
BLUE NOTE RECORDS SPECIAL BAND
続いてはジェイムズ・フランシーズが率いるブルーノート・レコード・スペシャル・バンドです。
BLUE NOTE RECORDS SPECIAL BAND
- ジェイムズ・フランシーズ(ピアノ、キーボード)
- ケイシー・ベンジャミン(サックス)
- チャールズ・アルトゥラ(ギター)
- ジェレミー・ダトン(ドラムス)
ジェイムズ・フランシーズはまだ23歳の新進気鋭のピアニスト、キーボーディストで、ジャズだけではなくヒップホップ、R&Bのミュージシャンとコラボしていて幅広い音楽性を発揮しているミュージシャンす。
途中機材トラブルもあったりしましたが、想像していたジャズとは違う独特の音楽性に魅了されました。コンテンポラリージャズとでも言うのでしょうか。そしてジェイムズ・フランシーズはHiromi’s Sonicbloom時代の上原ひろみを思い出させるピアノ+キーボード3台を操ります。左手でピアノ、右手でキーボードというスタイルがなつかしい。
Hiromi x Edmar Castaneda
そして上原ひろみとエドマール・カスタネーダの変態デュオの登場です(笑)。言わずと知れた変態ピアニストの上原ひろみが見つけた変態ハープ奏者のエドマール・カスタネーダ。上原ひろみ曰く「音楽に対する熱量が同じくらい高い」そうです。類は友を呼ぶではないですが、年齢が一つ違いで同じような熱量の二人が演奏するととんでもない化学反応が起こります。2017年にリリースされたライブアルバムを聴けば納得してもらえると思います。
Live in Montreal / 上原ひろみ×エドマール・カスタネーダ
断っておきますが、変態とは最上級の誉め言葉です。
- 上原ひろみ(ピアノ)
- エドマール・カスタネーダ(ハープ)
- A HARP IN NEW YORK
- Place to be
- CANTINA BAND
- FOR JACO
①③④は二人のデュオアルバム”Live in Montreal”からの曲で①と④はエドマール・カスタネーダの曲を上原ひろみがアレンジしたものです。2年前に出したアルバムでの演奏からさらにパワーアップした演奏で、二人とも自由にやりたい放題って感じで時に笑いも起きるとても楽しいピアノとハープの会話でした。
③は皆さんご存知の映画「スター・ウォーズ」の劇中曲です。個人的に今回のライブではこの”CANTINA BAND”を聴きたかったのですが望みが叶いました。とても楽しい曲に仕上がっていてライブでは絶対盛り上がるだろうから、演ってくれるのではないかなと思っていたので、実際に聴けて感激しました。何と言っても二人の演奏から生み出される凄いグルーブで体が自然と揺れていました。最高の一言です。
そして特筆すべきは②の”Place to be”。10年前のソロアルバム”Place to be”のタイトル曲です。上原ひろみ自身も非常に思い入れのある曲のようでとてもしんみりとするのですが、それがエドマール・カスタネーダと演奏すると驚いたことにラテンの雰囲気の曲になるのです。さすが上原ひろみ、演奏力だけではなくてその編曲力も素晴らしいです。とてもオシャレな曲になっていました。これだから上原ひろみのライブはやめられません。
そして4曲を演奏し終えると拍手と大歓声とともにスタンディングオベーションです。二人がはけても拍手は鳴りやみませんでしたし、その拍手がアンコールを求めるものに変わっていきました。
最後は全員でセッション
その拍手の中、出演者全員がステージに上がり最後は全員でのセッションです。昨年も最後のこのセッションはとても盛り上がりました。そして演奏したのが”Spain”。
全員がステージに上がってそれぞれの楽器の準備をするのですが、ピアノチームの3人はすぐにピアノを弾きだしました。上原ひろみが一番左(低音部)で弾きだし連弾が始まりました。その後ジェイムズ・フランシーズが左端で弾き、真ん中に上原ひろみが座り、高校生ピアニストがその隣(右端)に座って三連弾です。何と贅沢な光景でしょうか。そして上原ひろみが高校生ピアニストにピアノで話しかけ、彼も返します。まるで親方が稽古をつけているような感じです(笑)。そして複雑なフレーズを投げかけると彼が返せず微笑ましい笑いが起きました。何とも微笑ましくも楽しい演奏です。
そうこうしているうちに他のプレイヤーの準備が出来てセッションが始まりました。見どころは何と言ってもそれぞれのプレイヤーがソロを取るのですが、そこはさすがプロ。10代のプレイヤーの演奏が前面に出るように盛り上げます。そして盛り上がったままセッションは終わりフロアは拍手と大歓声に包まれました。
公演予定は公式サイトに約130分と出ていたのですが、終わって時計を見ると18:30でした。つまり150分やっていた訳で20分予定をオーバーしていたようです。
障害者にも優しいブルーノート東京
そして担当のスタッフがテーブルまで来てくれて会計をすましエレベーターへ案内してくれました。フロアのトイレは混んでいるので1Fにある障害者用のトイレを利用しました。車椅子の方はこちらを利用できるので安心です。スタッフの方と話していたら公演が予定より長くなりかなり押してしまっていると言っていました。2ndの公演まで超短時間で準備をしないとならないそうです。
スタッフの方にお礼を言って通用口から出ました。今年もとても楽しいBLUE GIANT NIGHTSでした。今回もオーディションウィナーの10代のバンドに驚かされました。知らないバンドでも発見があって楽しめるのですから音楽っていいですよね。
普段妻と外出しても病気のため座ったら立てないこともありなかなか外食を楽しむことも出来ないのですが、障害者にも優しいブルーノート東京だけはそんなことも忘れて音楽と食事を楽しめる場所です。ちょっと高価ですけど年に一度くらいは良いですよね。
ちなみに今回の駐車料金は¥5,400でした(汗)。
上原ひろみ10年ぶりのソロピアノアルバム ”Spectrum”
2019年9月18日日本先行発売。こちらもおすすめです。
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