Electric Island, Acoustic Sea/Tak Matsumoto & Daniel Ho

2017年2月8日リリースの”Electric Island, Acoustic Sea”/Tak Matsumoto & Daniel Hoを紹介します。

グラミー・ウィナー 夢の共演

皆さんご存知だとは思いますが、”Tak Matsumoto”とはB’zの松本孝弘のことです。何故私が聴くのか?それは妻がB’zの熱狂的なファンだからです。そんな訳で私もB’zを聴くようになりました。私はインストが好きなので、B’zよりは松本孝弘のソロアルバムを聴くことの方が多いかもしれません。それに中学高校時代はギター少年でしたから、ギターのサウンドは大好きです。
最近のB’zはバンドとソロの活動をだいたい隔年でやっているようです。バンド活動したら翌年はソロ活動。そしてまたバンド、ソロとなっているようです。ここ最近の松本氏のアルバムは、2010年にLarry Carltonと”TAKE YOUR PICK”というデュオアルバムをリリースして以来Jazz路線のようです(ちなみにこのアルバムは2011年の「第53回グラミー賞」で「最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバム賞」を受賞しています。そしてこの年のグラミー賞と言えば、先日紹介した上原ひろみが参加したスタンリークラークのアルバム”THE STANLEY CLARKE BAND FEAT. HIROMI”が「最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞」を受賞しています)。

Who is Daniel Ho?

Daniel Ho(ダニエル・ホー)とはハワイ生まれでロスアンゼルス在住のミュージシャンです。ウクレレ、クラシック・ギター、エレキ・ギター、ピアノ、ベース、ドラムなどあらゆる楽器を操ります。高校卒業後ロサンゼルスの学校で音楽理論と作曲を学び、プロデビュー後はスムーズジャズバンドで活躍し、ソロとなってからは自身の故郷、ハワイの伝統的な音楽スタイルに自身のスタイルを融合させたオリジナリティー溢れる独創的な世界を作り上げ、グラミー賞の最優秀ハワイアン・ミュージック・アルバム賞を6度受賞した実力者です。

二人の出会い

そんな二人は共通の友人を通じて紹介され、会ったのがきっかけのようです。その後ダニエル氏から「こんな感じでどうですか?」と曲が送られてきたそうです。予想していたようなアコースティックな曲ではなかったので「こんな曲やりたいんだ」と理解した松本氏。ダニエル氏はロックに憧れがあったようです。「ならばアルバム作りましょう」となりました。ダニエル氏が何でも演奏できるので、どんどんイメージが湧いて話が進んでいったようです。このアルバムではダニエル氏がアコースティックな楽器を演奏し、そこに松本氏のハードなギターの音が重なるのですが、全く違和感がありません。松本氏も従来のソロのJazzyな路線ではなく、ロックな傾向の楽曲で攻めてきますし、ダニエル氏のアコースティックな楽曲もあります。そして二人の共作もあり、すごくバランスが良いです。そして二人は日本とハワイ、同じ島国出身です。そして扱う楽器もアコースティックな楽器とエレクトリックな楽器。Electric Island, Acoustic Seaとはまさに二人にピッタリなタイトルです。

ピースルフルなサウンド

日本とハワイ…ふたつの異なる島国文化の音楽がブレンドされたグラミー賞受賞者の松本孝弘とダニエル・ホーによる初コラボレーション!美しいメロディに松本孝弘が繰り出す唯一無二のエレキギターとハワイ出身のダニエル・ホーが奏でる色彩豊かなアコースティック楽器が融合したピースフルなインストゥルメンタル・アルバム!!
B’z Official Websiteより

とてもピースフルで島国を感じさせる音楽です。それでは収録されている曲を見ていきましょう。

1.Soaring on Dreams

ダニエル氏が最初に送ってきた曲です。小さいころからロックスターに憧れていながら実際はアコースティックを演奏してきたきたダニエル氏。どうせやるなら今までやったことのないロックっぽいものをどうしてもやりたかったそうです。もちろん二人でアレンジしてオープニングに相応しい曲になりました。

2.Fujiyama Highway

とても松本氏っぽいロックな曲にダニエル氏の三線が絡みとても新鮮です。二人が一緒にアルバムを作ると言う事はこう言う事なんだなと感じます。

3.Magokoro (True Heart)

松本氏曰く「すごくメロディ自体が音数が少ないので、けっこう難しい」。松本氏が演奏する姿を想像してダニエル氏が曲を書いたようです。音数が少ないというのは演奏する側からするととても難しいようです。クラシックでもモーツアルトのピアノは音数が少なくてとても難しいと聞いたことがあります。誤魔化せませんし少ない音で表現しなければなりませんからね。しかし、松本氏のギターを聴いて高中正義を思い出してしまいました。

4.Infinite Escapade

ダニエル氏作フュージョン系の曲。このような曲を松本氏が弾くというのは、非常に珍しいと思います。貴重かもしれません。

Faithfully

ダニエル氏が小さいころから良く聴いていたJourneyの曲の中からをFaithfullyをカバー。ハワイアンズ・スラック・キー・ギターバージョンにアレンジ。やはり1曲くらいは歌いたかったのでしょうか。

5.Sunny Tuesday

松本氏が書いたメロディーにダニエル氏がアコースティックギターのアルペジオを足した曲です。アコースティックギターのアルペジオって綺麗で素敵ですよね。それにメロディアスな松本氏のギターが絡むという。最高です。松本氏が書いたのに、ハワイっぽい香りがすごくします。

6.Wander Blues

とてもハードな曲です。松本節を楽しめる格好良い曲です。

7.Adrenaline UP!

松本氏も驚いた7拍子の曲です。ダニエル氏は音楽学校で作曲を勉強しているのでこういう曲もお手の物なのでしょうか。松本氏に「難しい」と言わせた7拍子の曲。そうでしょうね。普段変拍子を弾く機会なんてないでしょうから。私は上原ひろも大好きですから変拍子は大好物。やっぱり変拍子の曲って癖になるんですよね。聞きなれないリズムでざわっとするからでしょうか。このアルバムの中でもすごくアクセントになっていると思います。

8.Omotesando

松本氏にとって20代の思い出の場所「表参道」。同世代の私としては、メロウなメロディーとギターサウンドにノスタルジーを感じます。

9.Island of peace

ソロアルバム「New Horizon」よりセルフカバー。オリジナルはピアノやブラシストロークなどでJazzyな曲ですが、ここではダニエル氏のウクレレが入っており、海辺で聴きたくなるような曲になっています。とても癒されるサウンドです。アコースティックが入るだけで随分と変わるものですね。

10.Rain

これもソロアルバム「New Horizon」からです。オリジナルではキーボードも70年代風なサウンドで壮大なロックイストなのですが、この曲ではアコギや琴、パーカッション(和太鼓?)などのいわゆるアコースティックな楽器が加わることによって違った曲になっています。違うアレンジが聴けるなんて最高ですね。音楽の奥深さを感じます。

11.Lia

ダニエル氏のアルバムよりセルフカバー。ダニエル氏のアコギと松本氏のエレキによる二人だけの演奏です。二人のミュージシャンによって作られたこのアルバムを象徴する曲のような感じがします。とても素敵な曲ですが、この曲を最後にもってくることでこのアルバムが「二人の作品」であると言う事を強調しているような気がします。

エレクトリックとアコースティックの融合

二人のグラミー賞受賞者の共演。ロックとアコースティックサウンドのコラボ。どのようなアルバムになるのかと思いましたがとても素晴らしいバランスでミックスされていて違和感が全くありませんでした。エレクトリックとアコースティックの融合という印象です。エレキギターで癒しのサウンドになったり、アコースティックギターがロックになったりとてもアイデアが面白かったです。私がアコースティックギターのサウンドが大好きというのもありますが、とてもリラックスできるアルバムです。そんな中にバリバリロックな曲や変拍子の曲もあって刺激的です。このアルバムがライブではどう表現されるのか楽しみです。

■音楽
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