少し前ですが今年の3月で60歳になりました。早いもので私が筋ジストロフィーと診断されてから20年が経ちました。体の異変に気がついて大学病院を受診し、検査を重ねちょうど40歳の誕生日に筋ジストロフィーと診断されたのです。
将来に対する不安
あの日筋電図をとりその結果筋ジストロフィーと診断されたのですが、筋電図は筋肉に針を刺した状態で思いっきり力を入れるので検査後はその反動で体が重くなってしまい、家に帰るにも電車に乗ることも出来ず駅のホームのベンチに30分くらいは座っていました。もちろん体の重さだけではなく、むしろ筋ジストロフィーと診断されたことで「一体この先どうなってしまうのだろう?」と言った気持ちが強く呆然としていたからかもしれません。
その後検査入院し筋生検やら様々な検査をしたわけですが、退院前に担当医から「10年後には間違いなく車いすになるでしょう」と言われました。そんなことを言われても普通に階段も上れていましたし、病院でも運動を兼ねて階段を上っていましたから全くピンときませんでした。ただ家族のことなど将来に対する不安に押しつぶされそうになる毎日でしたし、精神的にヤバい時期もありました。
気がつけばこのころから急に白髪が増え始めたのです。と言っても全体的にではなく部分的になのです。両サイドだけ白くなり今では両サイドはほぼ100%白髪ですが、前や頭頂部、後ろは白髪がないのでとてもみっともない状態ですので、もうずっと染めています。年齢的に白髪が増えたなら全体的に白くいい感じになるので染める必要もないのですが、両サイドだけ真っ白で他は黒いという変な状態なのが悩みでもあります。これは間違いなくストレスのせいだと思っています。
とにかく歩いて
さて、その後時間の経過とともに筋力が落ち少しずつできないことが増えてきました。とは言え歩けなくなるという実感はなく何とか今の筋力をキープしようと頑張ってきました。しかし2011年の東日本大震災により電車通勤が出来なくなり車通勤に変更したのですが、それ以降歩くことが少なくなったせいで一気に衰えていったように思います。
朝7時に家を出て夜8時過ぎに帰ってくる生活ですから、歩く時間を確保する事が出来ません。毎日歩くことが筋力を維持するためにどれだけ重要なことか今さらながらに思います。このブログを見てくださっている筋ジストロフィーと診断された方、とにかく毎日歩いてください。歩きすぎも良くないのですが、私の経験からすると多少歩きすぎたかなと思うくらいでちょうど良いと思います。衰えた筋肉は元には戻らないわけですから、頑張って今ある筋肉を維持してください。最終的に落ちてしまうかもしれませんが、その頑張りが衰えるスピードを遅くしてくれます。
私の場合はまだ何とか杖をついて歩くことが出来ているのですが、転ぶことも多くなり転んでしまうと誰かに手を貸してもらわないと立つ事が出来ないので、一人で歩くことが怖くなってきています。転んだことがトラウマのようになっています。本当はまだまだ一人で歩けるのかもしれませんが、転ぶ恐怖に支配されてきているように思います。
でも自分なりに頑張った結果、10年どころか20年たってもまだ自分の足で歩くことが出来ています。あの時「10年後には車いす」と言った担当医に行ってやりたいですね「ざまぁ見ろ」とね。
転ぶ恐怖はありますがこれから先も自力で歩くことを目標にまた頑張っていこうと思います。
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