筋ジストロフィー経過詳細①検査・診断

筋ジストロフィーと診断されるまで

ちょうど私の40才の誕生日に筋ジストロフィーと診断された訳ですが(泣)、まずは私が体の異変に気付き、大学病院を受診して筋ジストロフィーと診断されるまでの経過です。

病院を受診するまで

以前から体の変化は感じていました。よく、ビルでエレベーターを使っていた人が健康のために階段を利用するようになると、「最初はきつくて大変でしたが慣れたらなんてことないです」と言いますが、私の場合は慣れるどころか逆にきつくなっていったのです。

体の衰え

2002年3月に難病の筋ジストロフィーと診断されたわけですが、実はその数年前から、まだ私が30代半ばを過ぎた頃から、なんとなく体力や筋力の低下を感じていました。階段を上れば少し息が切れたり、「結構足にきてるな」と感じる場面が増えました。「これが衰えってやつなのか。もうすぐ40だしな。」ぐらいに軽く考えていました。急激に衰えればすぐに病気を疑うのですが、この病気の進行と同じように徐々に衰えているように感じていたので、全く病気とは思いもしませんでした。

異変

2000年ぐらいですと、まだ駅にエレベーターやエスカレーターがほとんど設置されておらず、毎朝、秋葉原駅で総武線に乗り換えるために京浜東北線のホームから階段を上って乗り換えていました。そしてある年の冬、前の年の冬に比べて階段を上るのが今まで以上に大変になり、手すりに掴まらなければならなくなってきました。その翌年の冬には階段の途中で休憩しなければならなく「これはおかしい」と感じました。どんな感覚かと言うと、筋肉に長い時間負荷がかかると乳酸が溜まり筋肉の動きが悪くなります。まさにそんな感じです。足が動かないのです。階段の途中の踊り場(?)でちょっと休んで回復を待ってから、また階段を上らなければならなくなったのです。ですから電車を降りて大勢の人が乗り換えのために階段を上るのですが、いつも一番最後まで待ってから上っていました。体の異変を感じるのはいつも冬でした。冬用の洋服の素材や、コートなどで衣類が重くなります。さらに気温が低く体も冷えるので筋肉も動きにくくなり、体の変化に気付きやすくなるのだと思います。

病院受診と検査

順序としては、まず近所の総合病院に行き、検査したうえで大学病院を紹介されるのでしょうが、本当に「尋常ではないおかしさ」なので、紹介状も無しに直接大学病院に行きました。「どうせ大きな病院に行って検査してもわからず、結局紹介状を書いてもらって大学病院に行くんだろうな」と直感でわかりましたから。

整形外科受診

いつも思うのは「何科に行けば良いのか」と言う事です。まず最初に大学病院の整形外科を受診します。いろいろ検査しましたがどこにも悪いところはありませんでした。医師から「整形外科的に悪いところは何もありませんので、こちらから内科を紹介します」と内科宛てに紹介状を書いてもらいました。

内科受診と検査

予約を取り、後日改めて内科を受診し診察を受けました。色々と問診をされ、その日は血液検査などを行ったのですが、血液検査では試験管のようなもの11本分血液を採られました。私にとって過去最高の数です。そして筋電図検査の予約をとりました。この血液検査の結果と筋電図検査の結果ですべてがわかるはずです。

筋電図検査

ところで筋電図検査ってどんな検査か皆さんご存知ですか?筋電図検査とは、筋肉の動き(収縮)や、その問題が筋肉自体の問題なのか、それとも神経伝達の問題なのかを調べる検査です。検査方法は、簡単に言うと、筋肉に針を刺し、そこに電流を流しながら筋肉に最大の負荷をかけるのです。これだけのことなのですが、とても痛いのです。なんせ針を筋肉に刺す訳ですからね。ブスッと結構深くいきます。それを上肢、下肢に刺します。そして電流を流して、安静時と負荷がかかった時の値を計測するのです。負荷をかけるのも、力をMAXにしなければなりません。歯を食いしばって思いっきり力を入れるのです。それを右腕、左腕、右足、左足と何度もやります。自分は採血とかも平気でして、普通の検査でも試験管のようなもので6〜8本取ります。この検査の時は11本取り、採血の方に「多いですね」と言われたのですが、それでも全然平気なんです。そんな私でもさすがに筋電図検査だけはもう二度と受けたくありません。それほど痛くて辛くて大変でした。

診察、そして宣告

その痛くて辛い筋電図検査の後、診察です。血液検査の結果と筋電図の結果から、筋ジストロフィーで間違い無いだろうと宣告されました。ただ、どのタイプなのかは筋肉組織を採取し、専門の検査機関に送りそこで遺伝子検査などを行ってみないとわからないということでした。そこでの私の選択肢は

  1. このまま筋ジストロフィーという診断で終了
  2. 筋肉組織を採取し検査機関へ送り、どのタイプの筋ジストロフィーなのか詳しく調べる

の二つです。勿論、2を選びました。

検査が終わって

そして検査が終わり家に帰るのですが、頭の中は真っ白です。筋ジストロフィーなんて考えてもみませんでしたし、筋ジストロフィーと言えばかなりの難病です。頭の中を色々な事がグルグル巡りますが、まともに思考が働きません。「どうしよう」「どうなっちゃうんだろう」「どうしたらいいんだろう…」。さらに筋電図検査で力を使い果たした影響で、全身が重く動けなくなりました。何とか駅まで辿り着き、ホームのベンチに暫く座り、ボーっとしながら目の前を通り過ぎる電車を眺めていました。どれぐらい経ったでしょうか。ようやく少し回復したようなので、やっとの思いで電車に乗りました。それでも怠くて歩くのも大変でしたから、最寄りの駅まで妻に迎えに来てもらいました。

後日病院から電話があり、入院の予約をとりました。4月に入院して筋生検をすることになります。

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