筋ジストロフィー経過詳細⑦リフォーム

トイレのリフォームと手すりの取り付け

先日、作業療法と理学療法の記事で書きましたが、2013年5月にOT(作業療法)を受けた時に家の中を生活しやすいようにリフォームすることを考えましょうという話になりました。

筋ジストロフィー経過詳細⑤作業療法と理学療法
身体も硬くなってきたのでリハビリテーション科を受診しました。そして作業療法と理学療法をすることになりました。

病院で相談

8月に再度受診したときに私の住む自治体の障害者福祉ハンドブックを持っていき、使えそうな支援を探しました。その中で生活支援→日常生活用具→肢体不自由→居宅生活動作補助用具というものがありました。内容は

障害者及び障害児の移動等を円滑にする用具で設置に小規模な住宅改修をともなうもの

というものです。
そしてもう一つは
生活支援→日常生活用具→肢体不自由→移動又は移乗支援用具です。その内容は

おおむね次のような性能を有する手すり、スロープ等であること。ただし、設置にあたり住宅改修を伴うものを除く
1.障害者及び障害児の身体機能の状態を十分踏まえたものであって、必要な強度と安定性を備えるもの
2.転倒予防、立ち上がり動作の補助、移乗動作の補助、段差解消等の機能を備える用具

というものです。私がリフォームしようと考えていたのは

  1. トイレの便器を昇降便器に取り換える
  2. 階段に手すりを取り付ける

この2点です。後日、市役所に出向いて支援の詳しい説明を聞くことにしました。

トイレの便器を昇降便器に取り換える

主治医が言うには、いずれお尻を拭いたりすることができなくなる(手が届かなくなる)そうです。ですからウォシュレットは必須です。便器に座り、そこから立ち上がるのが大変になってきましたが最終的には立てなくなるでしょうから、昇降機能付きの便器に取り換えようかと思います。

階段に手すりを取り付ける

以前書いた記事にもありますが、階段の最上段から落ちました。その経験から、階段を降りる時はとても気を使います。どんなに眠くても階段に立った時、自然とシャキッとします。

階段から落下、そして奇跡の回復
長男の大学入学式の朝、階段から落ちましたが九死に一生を得ました。まさに奇跡です。しかし首や肩、背中を痛めてしまいましたがコエンザイムQ10のおかげで奇跡的な回復を遂げました。

階段を降りる時は当然手すりにつかまらないと危険なのですが、上るときも最後に手すりが必要になります。下から階段に手をついて這って上っていくのですが、最後につかまるところが必要になるのです。最後の3段は左手で手すりにつかまり、右手を膝について上ります。

市役所で確認

すぐに市役所へ行き、トイレリフォームと階段の手すり取り付けについて相談しました。

トイレの便器を昇降便器に取り換える

便器を交換するにも支援があるのですが、それは上肢が不自由の方対象なので私は使えません。確かに上肢が不自由であれば当然特殊便器に交換しなければならないのはわかります。しかし、上肢に障害が無くても下肢や体幹に障害があり立てないから便器を交換する必要があるのです。それでも使えないのかとききましたが、「上肢という決まりなので」の一点張りです。それでこの居宅生活動作補助用具を使おうと思いました。ただし200,000円までが対象なのですが使えるのが1回限りです。金額的に大きくちょっとした工事も出来るので今トイレに使って良い物なのか、将来的に他にも問題が出てきた時に使うことが出来なくて良いのか悩みました。

階段に手すりを取り付ける

これに関しては移動又は移乗支援用具を使用できます。1回使っても8年あければ再度使用することが出来ます。今回は階段ですが、次回は廊下に設置するということが出来るのです。あとは手すり取り付けにいくらかかるのか見当もつかないので見積りを取ってからになりますし、どれくらいの補助が出るのか確認しなければいけません。とりあえず市役所に登録しているリフォーム工事業者のリストをもらって帰りました。

TOTOのショールームへ

休みの日にTOTOのショールームへ行きました。事情を話したのですがこのショールームには昇降便座は置いていないので別のショールームを紹介してくれました。それでもとても親切に説明してくれました。さらに別の方法として、通常の便器に補高便座を取り付けることもできると教えてくれました。そうすれば費用をだいぶ抑えることが出来ます。当時トイレリフォームが流行っていたので、その金額に補高便座の費用をプラスすればよいのですからお得です。最新の便器の水の使用量は、我が家にあるタイプと比べて約1/4の水量で良いのでかなりの節約になります。その節約できる水道代を考えたら居宅生活動作補助用具を使わなくても良いのかもしれません。そうすれば将来私が車椅子を使うようになった時の住宅改修に取っておくことが出来るのです。そしてTOTOさんに登録している私が住んでいる地区の工事業者さんのリストも頂きました。

トイレリフォーム後

手すりは80㎝、ペーパーホルダーは70㎝の高さに取り付けました

トイレ

5cmの補高便座をつけました

業者のショールームへ

家で市役所とTOTOさんから頂いたリストを見ながら色々考えました。助成が決定すると私が業者に支払うのは代金の約1割になります。残りは自治体から支払われるのですが、役所ですから私が支払うよりもだいぶ後になります。それで出来るとしたらそれなりの規模の会社でないと難しいのではないかと思ったのです。個人では資金の問題もあり難しいでしょう。そんな訳で両方のリストに載っている会社に絞りました。そしてその中で割と近所にある業者のショールームへ行ってみました。本業はさく泉工事で別事業としてリフォーム工事もしているようです。対応して頂いた方にこちらの要望を話しました。ザックリと概算をだしてくれたのですが、トイレのリフォームに関してはリフォームパックに補高便座代をプラスするくらいで出来そうです。手すり取り付け工事は総延長距離によって価格が変わるので、後日取り付ける場所を実際に見てから見積りを出してもらうことになりました。

階段は80cmの高さに手すりを取り付けました

下りる時のために縦型の手すりも付けました

見積り

後日営業担当者がやって来て現場を見てから見積りの打ち合わせをしました。こういった助成関係の仕事はかなりやっているそうで、正式に発注してからの役所への申請や工事終了後の手続きなど全てやってくれるそうです。流れとしては

  • 見積り提出
  • 工事を発注・申請書の準備
  • 助成を市役所へ申請
  • 助成決定の連絡
  • 工事・完了手続き
  • 決定通知書が届く
  • 支払い

となります。

工事完了

そして正式な見積りが出て工事をお願いしました。価格も当時の世間相場のトイレリフォームパック代金に補高便座をプラスしたくらいでしたので、これは助成を利用しませんでした。トイレも古くなっていましたし、水道料金を節約できますから普通のリフォームと考えました。その分将来私が車椅子を使用するようになって玄関周りをリフォームする時に居宅生活動作補助用具を使うことにしました。そして階段の手すり取り付け工事には移動又は移乗支援用具を利用しました。階段の手すり取り付け工事費用での私の負担は10,000円ほどで済みました。最初は情報を集めたり役所に行ったり見積りを取ったりで随分と時間もかかるし手続きとか面倒だなと思っていただけに、工事の依頼をしてから完成まで1か月かかりませんでしたし、自分で動きだしてから終わるまでに2か月もかかりませんでしたので少々驚いています。やはり慣れている業者に頼むというのは価格以外のメリットがあるものです。

これを見てリフォームしようと思う方もいらっしゃると思います。自治体によって支援内容が違い金額も違いますので、まずはお住いの自治体で受けられる支援の内容を確認してみてください。

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