上原ひろみ SAVE LIVE MUSIC ~PLACE TO BE~

今回は上原ひろみ SAVE LIVE MUSIC ~PLACE TO BE~ を見に行ってきました。2週連続でのブルーノート東京です。

SAVE LIVE MUSIC PLACE TO BE

私の場合もう公共交通機関を使って外出する事が出来ませんので毎回車で行くのですが、さすが南青山、駐車料金が約¥2,000/hと非常に高いです(涙)。毎回ブルーノート東京に来ると駐車料金が余裕で¥5,000を超えるのですが、もし2公演続けて見ようものなら駐車料金だけで¥10,000を超えてしまいます。あぁ恐ろしい・・・。

LIVE ~PLACE TO BE~

いつもブルーノート東京から50mくらいのところにある駐車場に車を止め歩いていくのですが、特にブルーノート東京側の歩道は狭くて凸凹でいつも怖い思いをしながら歩いています。しかし今回約1年ぶりに行ってみると歩道はきれいに整備されておりちょっとだけ安心しました。しかし今までと違う感触なのでそれはそれで不安であり、結局いつもと同じようにおっかなびっくり歩いていました。

さて、いつものようにブルーノート東京の前に着きエレベーターを利用させてもらうために電話を入れ迎えに来てもらいました。脇の通用口から入りアルコールでの手指消毒と検温をしてからエレベーターでB2Fへ降り席へ案内していただきました。

ステージとピアノ

今回の席は前回よりも一つ入り口側、奥から2番目のボックスでした。ご存じの通り私は左側のサイドボックスというソファの席にしか座る事が出来ません。以前は左右にボックス席があったのですが、今は左側にしかありませんので残念ながら上原ひろみの後ろ姿しか見ることはできません。以前は左側のボックス席が取れなくていつも右側のボックス席だったので、表情はよく見えますが手元が全く見えないので左側の方が良いと思っていましたが、左側になったらなったで表情が見えないのが残念でなりません。上原ひろみはとにかく楽しそうに演奏しますし、上原ひろみと言ったら「顔芸」ですからね。

前回もそうでしたが現在食事の提供はしていませんのでメニューも印刷されたものが各テーブルに置かれていました。これなら不特定多数の方が触れることもありませんので新型コロナウィルス感染対策にもなりますね。いや対策として替えたのかもしれませんが。

オリジナルカクテルとメニュー

毎回公演に合わせたカクテルが用意されます。今回は”PLACE TO BE”と言うホワイトサングリア、桃、ヨーグルト、ブルーベリーを使用した白と黒のピアノのイメージのカクテルでした。私はいつも公演に合わせたオリジナル料理とカクテルを楽しみにしているのですが、今回の公演ではカクテルを楽しみました。

LIVE ~PLACE TO BE~

今回のプログラムは2009年にリリースされた初のソロピアノアルバムの”PLACE TO BE”からの選曲になります。上原ひろみが30歳になるタイミングでリリースされたのですが、”PLACE TO BE”をリリースするにあたり、「ソロピアノアルバムって言ったらこうなるよね」と言うようなアルバムにはしたくなかったとインタビューで言ってましたが、確かに1曲目から難曲の超変態曲のBQEをぶつけてきましたし、ライトな感じをイメージしていた方は驚いた事と思います。まさに上原ひろみって感じでした。

さて、いよいよ公演が始まりました。

セットリスト

1. BQE
2. Sicilian Blue
3. Choux a la Creme
4. Pachelbel’s Canon
5. Show City, Show Girl
6. Daytime in Las Vegas
7. The Gambler
EC. Place To Be

そしてMCでは「今回このライブのために予習をしてきた方、残念でした」的なことを言っていました。もちろんファンの人ならその意味は分かっているのですが、初めて見に来た方へのメッセージです。上原ひろみの演奏は即興演奏ですのでアルバムと同じ演奏にはならないよという事です。上原ひろみは海外での活動が中心ですから色々なフェスの公式映像をネット上で見る事が出来るので、「この曲は○○での演奏が一番好きだ」という自分のお気に入りの演奏を探すのも楽しみの一つです。

1.BQE

予想通りオープニングは上原ひろみの活動拠点であるNew Yorkをイメージした曲、BQEです。上原ひろみは「ライブは1曲目が勝負」と常に言っていました。1曲目で聴衆の度肝を抜く事が出来ればあとは勝手にライブが盛り上がるからだそうです。アルバムの中でもそんな位置づけの曲なのでしょう。

とにかく、よくもまぁ、あんなに指が動いて、長い時間演奏して指が攣らないものだと感心します。それとこの曲を演奏する時は、鍵盤の右端にある拍子木を外して演奏します。それによってあの金属的な音が出るのですが、今回その外した拍子木を戻すところを見たいと思っていて(何だそりゃ)注目していたのですが、BQEが終わっても拍子木を戻さず次の曲を演奏し始めました。

2.Sicilian Blue

この曲は私の好きな曲なのですが、この曲が終わってから拍子木を戻していました。きっと忘れていたのですね(笑)。弾き始めてから「あ、拍子木戻してない」って思ったかどうかわかりませんが、拍子木を外した状態できれいな音を出すのですから、やはりきれいな音を出すという事はピアニストの重要な技術なのです。

3.Choux a la Creme

文字通りフランスをイメージした曲ですが、これも弦を手で押さえる内部奏法があります。過去の海外のライブなどではラストに演奏したりしていますが、跳ねるよう演奏で盛り上がりました。

4.Pachelbel’s Canon

ピアノの弦の上に金属製のスケールを置いてチェンバロのような音を出す内部奏法が楽しい曲です。また一度終わるように見せかけて終わらないといった演出(?)もあって見えている方も楽しくなりました。まさにライブならではの非常に楽しい曲になっていました。

5~7.Viva! Vegas

ここから3曲はViva!Vegasというラスベガスをイメージした組曲で、最後のThe Gamblerはスロットを回して回転が止まりハズレるところから始まります。このスロットをピアノで表現して回転が遅くなってきて止まるのに合わせて照明が左から右に移動するのですが、上原ひろみがタイミングをずらしてみたりフェイントをかけるなど見ていて思わず笑ってしまうような照明さんとの対決がありました。

実は6~7年前にブルーノート東京で上原ひろみのソロ公演を見た時にこの対決があったのですが、この時は上原ひろみのフェイントに照明さんが引っ掛かったように記憶しています。今回その再戦で引っ掛からなかった照明さんにプロ根性を感じました(笑)。そしてなかなか当たりにならないのですが、外れるたびに観客席を見渡し意味ありげな笑みを浮かべる上原ひろみ。そうです、観客の拍手が少ないから当たらないのです。それに気づいた観客の拍手が増えると当たりに。

するとここから怒涛の激しい演奏がスタート。確かに本編最後の曲にふさわしいダイナミックな曲ですからクライマックスに向けて大いに盛り上がります。後半の即興部分でこのアルバムに収められている”Bern Baby Bern”をぶち込んできたときには感動して鳥肌が立ちました。

さらには低音部分で思いっきり暴れていましたし、立ち上がって弾くさまは、まさに戦っているように見えました。もちろん鍵盤に思いっきりエルボーかましたりして曲を終えると観客はみな弾かれたように立ち上がってのスタンディングオベーションです。肩で息をしながら満面の笑みでやり切った表情で一礼し下がっていきました。

EC.Place To Be

アンコールはアルバムタイトルの”PLACE TO BE”。この曲はしんみりとした曲調で、ライブ映像でも上原ひろみが感極まった表情を見せているので尚更そんなイメージの強い曲です。「自分のいるべき場所」と言う内容ですからやはりライブが一番という事でしょうし、デビューからそれまでを回想し感情が高ぶっているのではないかと思います。

当然そんなしんみりした曲を想像していたのですが、明るく軽やかな旋律を耳にしたときは驚きました。元々即興部分は軽やかな演奏なのですが、曲のテーマの部分の音を響かせず軽やかでカラッとした演奏になっていたので、今回この公演用にアレンジしたのではないかと思いました。

やはり上原ひろみと言えばライブですし、骨格部分以外は即興演奏ですから同じ演奏と言う物はありません。この曲を聴いて即興演奏の素晴らしさと言う物を再認識しました。ですから上原ひろみの公演は何度も見に行くファンの人が多いのですが、聞いた話では今回の32公演全てを見に行く人もいるそうです。あぁ羨ましい。

ライブストリーミング配信

今回も我が家のWi-Fi環境を考慮してアーカイブで見ました。すぐに自分が行ったライブが思い出され感慨もまたひとしおです。VIVA!Vegasではあの感情の高まりが思い出されましたが、間に”Bern Baby Bern”は入りませんでしたし、アンコールでの”PLACE TO BE”は私がライブで聴いたものより原曲のしんみりとした演奏に近いものでした。やはり同じ演奏と言うのはないんだと実感したライブストリーミングでした。

おまけ(物販)

PLACE TO BE Box
でテーマは「白と黒」。アルバム『PLACE TO BE』のジャケットからイメージ。ピアノの鍵盤の黒と白をテーマにしたディナーボックス。

PLACE TO BE ディナーボックス

イカ墨のパエリアの鍵盤仕立てはおいしかったです。

ディナーボックスのパエリア

SAVE LIVE MUSIC Tシャツ
ブルーノート東京とのコラボTシャツです。白と黒の2種類あるのですがブルーノート東京オンラインショップ限定販売で予約制になります。

SAVE LIVE MUSIC Tシャツ

あと2つのプログラムがあるのですが、3つ目は平日開催のみで諦めていましたが、4つ目はチケットを取ることが出来ませんでした。なのでどちらもライブストリーミングでの鑑賞となります。今までだったら見ることも出来なかったのですが、ライブストリーミング配信があることで家で見る事ができるのでファンとすればうれしい限りです。上原ひろみのチケットを購入するのはとても難しいので、できれば今後もライブストリーミング配信を続けていただきたいと思います。

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