ACL決勝 浦和レッズVSアルヒラル 1st leg

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アジアチャンピオンズリーグ2019決勝、浦和レッズ(JPN)VSアルヒラル(SAU)の1stレグがアルヒラルのホーム、サウジアラビアのリヤドにある サウード国王大学スタジアムで行われ、1-0でアルヒラルが勝ちました。

ACLのロゴ

完全アウェーで良いところなく完敗

内容としては完全アウェーの中で、リーグ戦で調子を落としている浦和レッズがどう戦うのか注目していたのですが、アウェーなので基本的には失点せずに戦い、隙あらばカウンターでアウェーゴールを目指すというような印象でしたが、アルヒラルがホームと言う事もあり積極的に出てきたせいか、前半途中からサンドバッグ状態になりシュートまで持っていけなくなりました。

そして60分、サイドからのクロスにヘッドで決められてしまいました。あの場面はGKの福島が目測を誤って飛び出してしまいボールに触ることが出来ずDFが二人ついていたにもかかわらず簡単に合わされてしまいました。マークがついていても「そこにいるだけ」というのはもう何年も見せられている光景です。やはりゴール前には戦う姿勢を前面にだすDFが欲しいですね。ああ闘莉王がなつかしい・・・。もっと言えば浦和のディフェンスはブロックを作っているからかもしれませんが相手が来てもプレッシャーはかけません。そこにいるだけなので相手も簡単に狙ってクロスを上げることが出来ます。ま、プロですからあれだけ間合いを空けて蹴らせてくれればだいたい狙ったところに飛びますよね。そして中にいるディフェンダーはボールウォッチャーになって競ることも無く簡単に決められてしまいます。さらに驚いたことにサイドから攻められると真ん中で簡単に相手をフリーにしてしまいます。

今回は浦和の左サイドを散々突破されていました。ファブリシオと関根と言う守備に難のあるコンビでしたが良いところも無く突破されていました。関根も攻撃的な選手なので高い位置を取れれば良いのですが、今回のように守備に追われてしまうと良いところが全く出せません。関根も守備をがんばってはいましたが1対1に強い訳ではないので守備的に戦うなら、結果論ですが宇賀神先発で後半途中から関根の方が良かったのかもしれません。ファブリシオではなく武藤なら関根でも良いのかもしれませんが武藤は肩を脱臼していて出ることが出来ません。

そんな訳でボールを持って攻めても興梠にボールが入らないので得点の匂いが全くしませんでした。前半のファブリシオから関根に渡った数少ない決定機も関根がまるでキーパーにパスをするようなシュートで相手ディフェンダーにクリアされてしまいました。広州恒大戦のように思い切って打って欲しかった。あそこで決めていれば展開も変わっていたのではないかと思います。

一方のアルヒラルは浦和レッズのボールを持った選手に終始プレッシャーをかけてきます。そこでパスを出しても2本目か3本目には相手に引っ掛けられてしまいますし、引っかからなくてもキーパーへのバックパスになり、キーパーが前に蹴って相手ボールになると言う繰り返しで効果的な攻撃が出来ません。前から思っているのですが、安易にキーパーに戻さないでほしいですね。余裕がない中でのバックパスなので、キーパーも前に蹴りだすくらいしか出来ないんですよ。それで必ず相手ボールになるって言う。Jでもみんな分かっていると思いますよ。プレッシャーかければキーパーに戻すしそのまま蹴ってくれるからマイボールになるって。アイデアなくキーパーに戻すっていうのはミシャ時代の名残ですね。あの時はうまくいかなければすぐに戻して組み立て直すやり方でしたから、簡単にキーパーに戻す癖がついているように思います。

今回浦和のゴールマウスを守った福島はファインセーブもありましたし良かったと思います。確かに失点場面では前に飛び出してボールに触れなかったというミスでしたが、それは経験値の問題だと思います。西川が出場停止はわかっていたことなので、準決勝の後のリーグ戦3試合に福島を起用すべきでしたが、起用されたのはたった1試合でした。3試合出ていればその分の経験から違った判断が出来ていたかもしれません。結局のところまだ福島は信用されていないと言う事ですよね。でも使わなければ選手は成長しませんし、失敗があって成長するのですから目をつぶる勇気も必要かと思います。結局その3試合で勝ち点1しかとれなかったわけですから、結果論ですが福島でも良かった訳です。恐らく2ndレグのホームでの試合では西川が起用されると思いますが、リーグ戦の残り2試合は是非福島を先発で使ってもらいたいと思います。そろそろ世代交代も考えないといけませんからね。西川とは年齢差がありますが、昔の土田・田北、都築・山岸のような関係になるのがチームとしては理想なんですけどね。

そして試合は、後半浦和は1本のシュートも打つことが出きずに試合終了。1点取られた後はそれ以上失点しないことを最優先に戦っていたようです。アウェーゴールを取りたかったのですが、アウェーで0-1ですから悪くはありません。というのも今の浦和レッズは全てにおいてうまくいっていませんから、変に優位な形でホームで戦うよりも、「もう勝つしかない」と言う状況の方が皆がやることもはっきりして意思統一が図れONE TEAMで戦えると思います。それにあのホームのサポーターのバックアップがありますから期待してしまいます。そして2年前のアルヒラルとのアウェーでの初戦の後の有名なズラタンのコメントを思い出します。

「1週間後の試合はまったく違うものになる。僕たちはホームで、より攻撃的なアプローチでゲームに臨むだろう。彼ら(アル・ヒラル)に本物のレッズの姿をお見せしよう。リャドで僕たちは大観衆のプレッシャーに晒された。今度はこっちの番だ。埼玉スタジアムの重圧がどれほどのものか、彼らは土曜日に思い知るだろう」

ほんと浦和レッズはことACLに関しては、ホームでは全く別のチームになりますし、点を取って勝つしかないのですから私は結構期待しています。相手も初戦勝って有利ということで「大した事ねーな」と思ってくれてるとなお良いのですが。

ACLは罰ゲーム?

浦和レッズはJリーグでの川崎フロンターレ戦の3時間後に羽田空港をから24時間かけてサウジアラビアのリヤドに入り、中3日で試合に臨みました。個人的にはもうちょっとJリーグに融通をきかせてもらい、余裕をもって決勝戦に臨めるように対処してもらいたかったです。というのも決勝戦に臨むまでのスケジュールですが、

10/29 J31節 vsサンフレッチェ広島
↓ 中2日
11/01 J30節 vs鹿島アントラーズ
↓ 中3日
11/05 J32節 vs川崎フロンターレ
↓ 中3日(しかも移動に24時間)
11/09 ACL決勝 1st vsアルヒラル(サウジアラビア)
↓ 中14日
11/24 ACL決勝 2nd vsアルヒラル(埼玉スタジアム2002)

というスケジュールです。大事なACL決勝前にこの殺人的なスケジュールはどうなんでしょうか。現状浦和レッズはリーグ戦で苦戦しており残留争いに巻き込まれている中でこの上位チームとの3連戦はないでしょう。無理に31節を30節の前に組み込むのではなく、決勝1stの後に2週間近く空くのですから、そこに入れれば良いだけの話ですよね。でもそこは代表の試合があると言う事で空けてるのでしょうけど、ワールドカップ予選のキルギス戦ですし、代表メンバーはほとんどが海外組なので問題ないと思います。

JリーグはACLをどのように考えているのですかね。2017年の浦和レッズ、2018年の鹿島アントラーズと2年続けてJのチームがACL を制覇している訳ですし、ここで浦和レッズが優勝すれば3年連続Jのチームがチャンピオンになる訳です。そうすれば当然アジアの他の国々がJに注目するでしょうし、そうなればJのコンテンツをアジアに広めることが出来るのですから、ここはベストコンディションで決勝を戦えるようにスケジュール的にサポートしてもらいたかったです。これではACL がまるで罰ゲームのような位置づけになってしまいますので、とても残念です。アジアの中でJのレベルが高いと世界中に広まれば、イニエスタなどが日本に来てくれている状況にさらに追い風になると思うのですが。

さて、決勝の2ndレグまで2週間ありますが浦和レッズの選手たちにはリフレッシュしてもらい、2ndレグは勝つために攻めてもらいたいと思います。1stレグの内容ではアルヒラルも浦和がどんな攻撃をしてくるのか予想も出来ていないと思いますのでチャンスです。そして優勝するんだと言う強い気持ちのこもったプレーを見せてほしいと思います。そしてACL史上初の3度目の優勝を飾ってほしいと思います。

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