ACL決勝 浦和レッズVSアルヒラル 2nd leg

今さらという感じですが、アジアチャンピオンズリーグ2019決勝戦2nd leg、浦和レッズ対アル・ヒラルの戦いは、浦和レッズのホーム、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、2対0でアル・ヒラルが勝ちました。その結果2戦合計のスコアは3対0となりアル・ヒラルが優勝しました。アル・ヒラルはアジアチャンピオンズリーグになってから初めての優勝です。

ACLのロゴ

試合は思ったよりも静かに始まりました。アル・ヒラルは初戦に勝っていること、そしてアウェイであるということを意識してか、1st legのように前から激しくプレッシャーをかけてくる事はしませんでした。どちらかと言うと様子を見ているというような感じでした。

そんなこともあり浦和は前半に何度かチャンスを作ることができました。しかしそれもどこかで見たような光景、まさにデジャヴかなと思ったのですが、決定的なチャンスに関根がシュートを放つもキーパー正面でディフェンダーに当たってしまいます。そうです1st legの時も同じような場面がありました。この時はおそらくコースを狙ったんだと思うのですが、結果としてキーパーにパスするような形になってゴールすることができませんでした。確かその時私はせめて思いっきり蹴って欲しかったと書いたような気がします。

さらに青木がシュートを打ったシーンは惜しくも枠をとらえることができませんでした。もし決まっていればまた違った流れになったと思いますし、それこそ1st legでの関根のシュートが決まっていたらと思うと残念でなりません。

そうこうしているうちにアル・ヒラルも徐々に慣れてきたのか徐々にペースアップしてきましたが、前半は0-0で終りました。浦和とすれば今回失点をしないことが最重要課題だったわけですが、ちょっと慎重になっていたような気もします。さすがに決勝と言うこともあるのでしょうか、いつものやるっきゃないといった吹っ切れたような感じには見えませんでした。それはやはりアル・ヒラルの力がかなり強かったと言うことを選手が肌で感じていたからだと思います。そして失点してしまえばその時点で非常に厳しい戦いになってしまうこともあったと思います。

そして後半に入るとアル・ヒラルはさらに攻撃の力を強めてきます。浦和はほとんどの時間を守備に追われるようになり、まるで1st legの試合を見ているようでした。こうなってしまうと、失点も時間の問題かなと見ていて思ったのですが、1st legと同様に浦和の左サイドを中心に攻撃をしてきます。そしてついに浦和がパスミスからボールを奪われるとアル・ヒラルのペルー代表カリージョが一気にスピードアップします。そして関根が必死で追い並走します。しかしなんとかボールを奪おうとするものの、カリージョに弾き飛ばされてしまいました。そしてついに与えてはいけないアウェーゴールを許してしまいました。

その後も防戦一方の戦いが続きクリアするのが精一杯です。またボールをつなごうとしても最初からサイドを使っていくものですから最終的にフォワードにボールがつながりません。縦パスも入らないのでロングボールを放り込むしか手がありません。本来なら中盤でボールを受けディフェンスラインの裏にボールを出したいのですが、それをできる選手がいません。そして選手交代で柏木が入りましたが結果的には何もできず、結局ロスタイムにも失点し万事休す。アル・ヒラルが2対0で勝利し2戦合計スコアを3対0として2019年のアジアチャンピオンズリーグを制しました。

決勝の2試合を終えての感想ですが、アル・ヒラルが強かったの一言です。元フランス代表やイタリア代表、さらには現役のペルー代表選手などの外国籍選手に加え、他のサウジアラビア人のほとんどがサウジアラビア代表選手です。わかりやすく言うとサウジアラビア代表に強力な外国籍選手がいる感じです。足元のテクニックもうまいですし、もともと体が強い。さらに中東の特徴としてハイボールにはとても強いですから、橋岡を狙ってロングボールを蹴ってもことごとく競り負けていました。さらには個人の強さだけではなくチームとしても戦術の理解度が高く、とても良くオーガナイズされていて、今までの中東のチームのイメージとは違いました。

ここ数年毎年のようにシーズン途中で監督交代をしている浦和では歯が立つはずもありません。結局2007年の時のロブソン・ポンテのような中盤でボールをさばけるフィジカルの強い選手がいないためにボールをつなぐことも出来ず、苦し紛れのクリアになってしまいました。そしてミシャ時代の名残か安易にキーパーへバックパスをする悪い癖が出てました。ミシャの時はキーパーに戻してもそこからまた繋いでいったから良かったのですが、今はキーパーに戻した後、CBにつないでもCBがノーアイデアですぐにまたキーパーに戻すので相手が詰めてきて繋ぐことも出来なくなって前に蹴りだすわけです。もうそろそろ選手たちにも気が付いてほしいのですが、それは何年も前からJリーグの他のチームも気が付いていて、プレッシャーをかけ続ければ浦和は後ろに戻して最後苦し紛れに前に蹴って攻撃を放棄してくれるからプレッシャーをかけ続てるのです。もちろん前の選手の動きだしにも問題があるので一概にCBだけが悪いと言う事ではありませんが。

期待されて途中から出場した柏木選手もフィジカルが弱くプレッシャーをかけられると何もできないタイプですから、やはり何も出来ませんでした。実況で「本人は調子が良いと言っていた」と言っていましたが、調子が良くてこの程度なら相当ヤバいと思います。これはJリーグでも「柏木が持ったら体を当てろ」が合言葉になっているのではないかと思うくらい各チーム狙ってきているのがわかります。フィジカルが強くないので体を当てればバランスを崩しボールを奪えますし、小野伸二のような足元のうまさもありませんから相手をサッとかわすことも出来ません。しかたなくドリブルで逃げるのですが、悲しいかな足が速くないので逃げきれません。そしてボールを奪われてカウンターを食らった場面が今年どれくらいあったでしょうか。

改めてアル・ヒラルの強さと浦和の弱さを認識させられた試合でした。浦和にはまたこのACLの舞台に戻って来てもらいたいですし、今年は残留をかけてまだ2試合残っていますので、まずはこれにきっちり勝って残留を決め、来シーズンに向けてチームを再構築してもらいたいと思います。そのためにも来期は外国人枠を見直し、センターラインを補強してもらいたいと思います。

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