筋ジストロフィー患者がダイエットで注意すること

皆さん体の管理はできていますか?これから食べ物もおいしくなり、ついつい食べ過ぎてしまう季節がやって来ます。筋ジストロフィーの私は体重が軽い方が体に負担がかかりませんし動くのも楽になりますから、出来る範囲で体重を減らした方が良いのです。そんな訳で一年前に体重を2.5㎏減らそうと思ったのですが、見事に2.5㎏増えてしまいました(汗)。筋ジストロフィーの私にとって体重を減らすと言う事はとても簡単なことではないのです。

体重計とメジャー

食生活を把握し見直す

私は身長175センチ、体重は現在70キロあります。先ほど書いた通りこの1年で2.5㎏増えてしまいました。正確には半年で2.5㎏増えてそのあとキープしている状態です。特に量を多く食べている訳でもないですし、甘いものを食べ続けている訳でもありません。ではなぜ太ってしまったのか?これはやはり筋ジストロフィーで筋肉量が減っており、基礎代謝が減っているから普通の食生活をしていても太ってしまうからなのです。

私の食生活

食べる量は以前から減らしていたので今ではだいぶ胃袋も小さくなり、たまに外で定食を食べても食べきれません。実に健康的です。弁当箱もOLさんが持つような大きさで、成人男性には小さいと思います。

朝ごはん

朝は7時前に家を出ますし、早い時間に家で食べても9時にはお腹がすいてしまうので、いつもおにぎり2個を車の中で食べるのですが、妻は手が小さいのでちょっと小さめです。まれにかなり小さい時もあるのですが、そういう時はコンビニで何か買います。

昼ごはん

基本的に家から弁当を持っていくのですが、週1~2回は弁当ではなく朝コンビニにで何か買っていきます。昼に外に出ることはしないので、買う場所はコンビニ一択です。一応カロリーを気にしているので、だいたい500Kcal前後を目安に買っています。当然こってりした弁当は買いません。今は量も多く食べられないので唐揚げ弁当など普通の弁当はちょっと量が多くて全部食べられませんので、パスタとかパン2個とかサンドイッチにサラダなどが多くなります。ちなみに最近のお気に入りは麦ごはんのビビンバです。そして疲れるせいか金曜日におやつを買っていくことが多いです。

夜ごはん

まぁ一番まともな食事をとれるのが夜なのですが、時間は大体9時近くになるのであまり食べられません。マイルールとして夜はご飯のお代わりをしません。した場合は翌日調整するなどして1週間の中で調整しています。

こんな食生活をしているのですが体重が増えてしまったのです。まぁ自分が気が付かないだけで実際は食べ過ぎているのだと思います。「今日はいいかな。明日減らそう」みたいな感じで。

毎日摂取しているカロリーを知る

ダイエットをするには自分が摂取しているカロリーを知ることが大事です。と言っても細かくやり過ぎると長続きしませんからザックリでいいのです。今はカロリーを管理するアプリもありますから簡単に摂取カロリーを知ることが出来ます。ただ毎日入力するのが面倒ですが、ある程度やると大体わかるようになります。あ、今日はちょっと多いかな?とか。

それと今はどこで何を買ってもカロリー表示がありますから、それを見て買うことが出来ます。大体自分が一日にどれくらいのカロリーを摂取するのか決まっていれば、後はそのカロリーを朝、昼、晩で振り分ければ良いのです。意識すると言う事は非常に大事なことです。

ダイエットの前に

ダイエットを始める前に「なぜ太るのか」「なぜ痩せるのか」を知らなければいけません。ただやみくもにやっていては苦しいだけですし、その理由を知っていれば効率的にダイエットをすることが可能です。間違った方法でダイエットをして体を壊しては意味がありません。

人はなぜ太るのか

人が太るメカニズムですが、簡単に言うと、摂取カロリーが消費カロリーを上回っているからです。わかりやすく言うと収入が多いのに使わないと貯金は貯まります。つまり脂肪が溜まるわけです。逆に収入が少なくて出費が多いと貯金を崩しやがて貯金がなくなります。つまり脂肪という名の貯金が減っていくのです。ですから消費カロリーが摂取カロリーを上回れば太らないのです。

人間は生命維持活動をするために寝ていてもカロリーを消費します。それを基礎代謝と呼びます。基礎代謝の量と言うのはもちろん年齢によっても違いますが、一般的には筋肉の量に比例しますので、筋肉量の多い人は消費するカロリーも多いですし、筋肉量の少ない人は消費するカロリーも少ないのです。そして私のような筋ジストロフィー患者の場合、筋肉量がとても少ないのでこの基礎代謝量も非常に少なくなります。先ほど1年で2.5㎏太ったと書きましたが、基礎代謝量が少ないので前に書いたような食生活でも太ってしまうのです。もちろんこの食生活でずっと体重は維持できていたのですが、それでも太ってしまったと言う事は年齢的な問題もあるのかもしれません。

痩せるにはどうしたら良いのか

もうお分かりと思いますが、痩せるには消費カロリーが摂取カロリーを上回れば良いのです。方法としては

  • 毎日運動をする
  • 間食をなくす
  • 食事制限をする

色々な方法がありますが、まずは自分が毎日摂取しているカロリーを知り意識することが大事です。

毎日運動をする

時間があればジムに通うこともできるでしょうし、毎日歩くこともできます。でも毎日の生活の中で運動できれば理想的です。わざわざ運動するのではなくついでに運動するイメージです。

  • 通勤時に一駅歩く
  • 速足で歩く
  • エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する

この運動によって筋肉量が増えれば基礎代謝量も増えますから太りにくい体になります。しかし筋ジストロフィーの私は運動が出来ません。

苦しいトレーニング

間食をやめる

毎日の食生活から間食をやめてみます。おやつなどの甘いものですね。それと砂糖入りのコーヒーやジュース類。飲み物は無意識に飲んでいると思いますが、結構なカロリーがあります。これをやめるだけでもずいぶんと効果が有りますが、砂糖には習慣性がありますのでなかなか断ち切ることは出来ません。休みの日だけ甘い物を食べるとか、最初は量を減らすところから始めるのが良いでしょう。

カップケーキ

食事制限をする

これはいわゆる何も食べないというのではなく、食べる量やカロリーの高い物を減らすと言う事です。お代わりをやめる、ご飯の量を減らす、脂っこい物や揚げ物を減らすなどです。それらをゼロにするというのは物凄いストレスになりますから長続きしません。

ダイエットで注意する事

当然食べなければ体重は減りますから、皆さんまずは食べなくなりますよね。ちょっと我慢して体重が減ったらまた食べ始める訳ですけど、目に見えて体重が減りますから皆さんこの方法を選びます。しかしダイエットには落とし穴があります。

リバウンドに注意してダイエットする

ダイエットにつきものなのがリバウンドです。ある程度体重が減ったので以前の食生活に戻したら体重がさらに増えてしまったとうやつで、多くの方が経験していると思います。なぜリバウンドが起こるのか。

  • 基礎代謝量がダイエット前より落ちている
  • 体の機能が働いている

といった事が考えられます。

基礎代謝量がダイエット前より落ちている

人間の体はたんぱく質で出来ています。ですから生命維持活動にたんぱく質は欠かせません。摂取したたんぱく質をアミノ酸に分解して吸収するわけですが、食事制限すると摂取するたんぱく質も少なくなりますし場合によってはゼロの場合もあります。でも体はたんぱく質が必要です。ではどうするか?体の中からたんぱく質を補います。そうです、筋肉を分解してたんぱく質を補うのです。筋肉が分解されるわけですから、脂肪が減ると同時に筋肉量も減ってしまうのです。結果として体重は減りますが実際には筋肉量も減っているのでダイエットをする前よりも基礎代謝量が落ちているのです。それで以前と同じ食事をすればすぐに太ってしまうのです。

体の機能が働いている

食事の量を一気に減らすことを続けるなどの急激なダイエットをした場合、人間の体はそれに反応します。摂取するカロリーの減少が続くと体は身を守るために消費するカロリーを抑えるように働きます。一度この機能が働くとすぐには元に戻りません。この機能が働いている間にダイエットをやめてしまうと、食事の量を以前と同じに戻しても体は消費するカロリーを抑えていますから一気に太ってしまうのです。ですから短期間で一気に体重を減らすよりも時間を掛けてゆっくりと体重を減らす方が良いのです。

きちんと栄養を摂る

上にも書きましたがせっかく体重を落としても筋肉まで落ちてしまっては意味がありませんし、必ずリバウンドしてしまいます。ですから食事の量を減らすにしても栄養は意識して摂取する必要があります。昔から言われている「高たんぱく低カロリー」これにつきます。私もたんぱく質は意識していますが、ダイエットしているのに肉ばかり食べるわけにもいきませんので卵、そして豆腐などの大豆製品を意識して食べています。夏ですと枝豆と豆腐が多くなります。

筋ジス患者のダイエットは時間をかけてゆっくりと

健常者の方は食事制限とともに太りにくい体を作るために運動を取り入れることが出来ます。筋肉量が増えれば基礎代謝も増えますから太りにくい体になるわけです。しかし筋ジストロフィー患者の方は食事制限の他に運動することが出来ませんから、ダイエットする際に特に気をつけなければいけない事があります。

お尻の脂肪から落ちる

これは私が主治医から言われていることなのですが、ダイエットを始めると最初にお尻の脂肪から落ちるのだそうです。ですから短期間で体重を落としてしまうとお尻の肉が無くなって座っていることも出来なくなると言われています。筋ジストロフィー患者はただでさえお尻の筋肉が無くなっているのにさらにお尻の脂肪が落ちてしまうと、痛くて痛くて座っていることが出来なくなるそうです。ですからダイエットをするならリバウンドの問題もあるので、「時間をかけてゆっくりと体重を落とすように」と言われています。

減量の目安は月に1~2kg

では減量の目安はどれくらいかと言うと、主治医曰く月に1~2kgだそうです。実際もう少し多くても大丈夫かもしれないようですが、週に1kg(月に4~5kg)のペースで減量するのはダメだそうです。

筋ジストロフィー患者のダイエットは長期戦

そんな訳で筋ジストロフィー患者にとってダイエットは長期戦になるのでとても辛いです。実際、月に1~2kg減らすと言う事は週にしたらほんの数百グラムですから、体重を測ってもなかなかわかりません。本当に減っているのかどうか不安になります。1kgなんて体調によってもすぐに変動しますから、一月やって体重が全然減っていない時はとてもショックです。

それに食事量が減ると空腹感がすぐにやってきます。私は胃腸は丈夫なので消化も早く午後も4時を過ぎると空腹感が押し寄せてきます。それが長い期間続くと四六時中空腹なような気がしてきます。それがさらに進むとなんかひもじい感じがしてくるのです。そういったこともあり肉体的な空腹感は水を飲んだりして誤魔化すことが出来ますが、精神的な空腹感は誤魔化せないのでダイエット期間が長くなると結構辛いです。

ついつい多く食べてしまったり、間食をしてしまったり。あまりきっちり計画を立ててやるとそのストレスが凄く、いずれその反動で食べてしまいます。ですから摂取量も一週間の中で調整するくらいザックリとした計画が良いと思います。「今日少し多く食べたから明日は減らそう」「油っぽいもの食べたから次はさっぱりしたものにしよう」といった自分自身が挽回するチャンスがあるような計画の方が経験的に長続きします。

とにかく長期的にダイエットをする場合、自分を追い詰めないことが一番重要です。

 

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