先日は私が筋ジストロフィーと向き合っていく上での基本的な考え方を書きました。そして今回はタイトルにあるように、毎日を快適に過ごすためにしている事などを書きたいと思います。
体の中から整える
前の記事にも書きましたが、筋ジストロフィーというとタイプにもよりますが、一般的には筋肉がなくなり歩けなくなる、といったイメージだと思います。もちろんそうなのですが、筋肉がなくなるにはその過程があります。血液中の筋肉を破壊する酵素の値(CK値)が高くなるのですが、その血液が体中を巡るわけですから体の中でいろいろなことが起こります。私の場合はまず、筋肉の痛みがあります。今では「あ、筋肉がやられてるな」と冷静に言えますが、最初の頃は夜中に何度も目が覚めたり大変でした。今では夜中に痛みで目が覚めると言う事は殆どありませんし、調子の悪い時にどこかの筋肉に痛みが出る程度になっています。
そして体のだるさです。ほんとにだるくて力が入らないのですよ。ただでさえかろうじて歩けている状態なのに、だるいと転ぶリスクが一気に高くなりとても危険です。何かをすれば取れるというだるさではなく、ひたすら回復するまで待たなければなりません。CK値が高くなるというのは、健常者の場合だと激しい運動をして筋肉痛になった時の状態です。そういう時は筋肉痛以外にだるさもありますよね。あれの酷い感じです。動けなくなりますから。
そういった状態を少しでも減らして快適に日常生活を送るためにあれこれとやってきました。その中で効果があり今も継続していることを書きたいと思います。
サプリメントなど
今摂取しているサプリメントは
- ビタミンB群
- ビタミンC
- コエンザイムQ10
- マルチアミノ酸
を摂取しています。
ビタミンB群、ビタミンC
これは基本的な栄養補給として摂取しています。もちろん食事からも摂取できますが、バラツキがありますから毎日一定の量を摂取できるように継続しています。一緒に摂取していたビタミンEは、コエンザイムQ10にも含有されているので単体での摂取をやめました。
コエンザイムQ10
これはもう私の命の恩人的なサプリメントですので、この先も欠かすことはできません。コエンザイムQ10についての記事はこちらをご覧ください。
マルチアミノ酸
人間の体にはアミノ酸が必要です。そして人間には20種類のアミノ酸がありますが、そのうち9種類は体内で合成できない必須アミノ酸と呼ばれ、食事などから摂取しなければなりません。そしてその必須アミノ酸にはそれぞれに規定の量があり、1つでもその量に届かないと他のものも100%利用されないという厄介なものです。つまり必須アミノ酸は偏ったバランスで摂取しても思っているほど効果がないのです。ですからその必須アミノ酸をサプリメントできちんと摂取しなければならないのです。さらに筋ジストロフィーという病気ですから、筋肉が破壊されていくのを補わなければいけません。ですので私はマルチアミノ酸をとっています。
前の記事で書いた「化学物質の摂取」の話になるのですが、このサプリメントも化学物質であることに変わりはありません。しかし自分には絶対に必要なものであり、これを摂取しないと明らかに体調が落ちますので、私の生活には欠かせません。ですからサプリメントという化学物質を摂取している、ということは理解した上で摂取しています。そういう理由で以前摂取していたビタミンEはコエンザイムQ10にも含まれているので摂取するのをやめました。また、ほかにもカルシウムやマグネシウムのサプリメントも飲んでいましたが、今はルイボスティーから取るようにしたのでそれもやめました。あと、私は牛乳を飲まないのでカルシウム補給に小魚類をとるようにしています。出来るだけ自然の物から摂れる物は摂り、摂れない物をサプリメントで補っています。
ルイボスティー
飲み物は色々な物を飲んできたのですが、今はたくさんの栄養素やミネラルを摂ることが出来るルイボスティーを愛飲しています。最初に買ったのが安い物で薬臭くてダメだったのですが、知人に教えてもらったルイボスティーにしたら癖はありますが普通に飲めました。私が飲んでいるルイボスティーは色々なフレーバーがあるので、プレーンなもの以外にもあれこれ試してお気に入りを探しているところです。
体を外から整える
前回の記事と、これまでの部分で体の中から整える物を書いてきました。それ以外にも体の外から血行を良くしたり温めたりして体をケアしています。援護射撃とでもいうのでしょうか。冷気にさらせば体も冷えてしまいたちまち体調不良になってしまいますので、そのあたりの工夫や使っている物を書いてみたいと思います。
体のケアグッズ
まずは身に着けたり使用することで疲れや痛みを回復し体をケアするものです。
スキンズ
筋肉痛の記事で書きましたが、血行を良くするのに欠かせないのがコンプレッションウエアのスキンズです。上下とも持っていて基本的にこれを着れば血行が良くなるのです。特にシャツを着るとちょっと体感的にはスースーするのですが、冬でも体の芯からポカポカします。流石に夏は暑いので着ませんが、秋になり涼しくなるとタイツだけは毎日着用しています。足を動かすのが楽ですし、血行が良くなるので足がむくみません。そして締め付けていることで力のロスがなく、立ち上がる時が少し楽に感じます。私が愛用しているのは運動用ではなくリカバリー用なので着圧も少しゆるいですし滑らかな素材が心地よいのです。
この締め付け(コンプレッション)もバランスが悪いと常にどこかに締め付け感があり不快なのですが、スキンズはバランスよく全体を締めてくれているので、着ていることを忘れてしまいます。何より就寝時に着用できるというのが一番です。
他にもカーフタイツというふくらはぎにつけるものも持っています。私の体は筋肉がない中で唯一筋肉があるのがふくらはぎなのです。ふくらはぎの筋肉がなくなったら、その時は車椅子になる時ですから、普段からふくらはぎのケアには特に注意しています。負担をかけないように距離を歩く時や痛みがある時に着用するのですが、スキンズは就寝時に回復用として使用し、日中はC3fitというものを使用しています。
ファイテン製品
色々な製品がありますが、ファイテン製品には一番お世話になっていると思います。ファイテン製品に出会わなかったら今のように日常生活を送ることもできていないのは疑う余地もありません。それほどまでに体調が悪くどん底の状態で出会い、何とかここまで回復したのですからもう使わないと言う事は考えられません。
ファイテン製品の効果はよく、「プラシーボだ」と言われますが、プラシーボだろうがなんだろうが悩んでいる人間からすれば、それで痛みや悩みから解放されるのならとてもありがたいことなのです。テープ類は頭痛の時の痛みがある時に大活躍しますし、クリーム類は痛みが広範囲の時に大活躍します。でも一番助けられたのはアクアミルムG(金の水)ですけれども。いずれアイテムごとに紹介していきます。
キネシオテープ
やはり痛み対策として貼っています。こんなもので、と思ったのですが実際に貼ってみると痛みが消えます。はがして暫くすると痛んで来るので驚きです。素材や価格など色々あるのでどれが良いのか只今検証中です。よく考えたら体中に貼っていました。
体を整えるリハビリグッズ
毎日の体のケアも必要です。基本的なストレッチは毎日欠かしませんが、それだけでは十分ではありません。器具を使わなければいけない物もありまあすので、そういった物を利用しながらケアしています。そして普段あまり歩くこともありませんから、時間があれば筋肉に刺激を与えることも必要です。
ストレッチポール
肩から背中、腰の筋肉がかなり少ないので、日常の姿勢を保つのにかなり酷使しているので筋肉は常に硬くなっており、寝ていても痛みます。そんな筋肉を緩める時に使用しているのがこのストレッチポールです。使用後は体が床に沈み込む感覚に驚きます。それ位筋肉が緩み、床と接地する部分が増えているのです。毎日は出来ないのですが、このストレッチポールに乗ると特に背中まわりの筋肉が緩み楽になります。
ストレッチボード
一日でも長く歩き続けるために欠かせないストレッチボード。ふくらはぎは私の生命線ですから、毎朝これに乗ってアキレス腱からふくらはぎの筋肉を伸ばしてから出発します。もう何十年も乗っていますが、それでも少しずつふくらはぎからアキレス腱にかけて縮んでいるのがわかります。このストレッチボードに乗っていなかったらと思うとゾッとします。
電動サイクル・エスカルゴ
何か運動したくて買いました。最初はエアロバイクにしようと思いリハビリの時に実際にこいでみて、「あ、これは無理だ」と思ったので何が良いのか理学療法士さんに相談したところ、電動サイクル・エスカルゴを勧められました。実際に病院のリハビリ室でも使っていますし、やらせてもらいましたが電動アシストがあるのですぐに疲れてこげなくなると言う事が無く、長い時間こぐことが出来ますし、そんなにひどく疲れることもありませんので、筋肉に刺激を与えるという意味で私には合っていると思っています。
体を温めるウォーマー類
筋肉が冷えてしまうと力を十分に発揮できないので、転んでしまうリスクが高くなります。とにかく体を冷やさないようにとネックウォーマー、手首ウォーマー、レッグウォーマー、ハンドウォーマー、腹巻きなど色々使っています。寒い、冷たいと思った時にはすでに体が冷えてしまっているので、そうならないように早めの着用を心がけています。効果は絶大で寒い冬でも体が冷え切らずに助かっていますし、手首と肘の腱鞘炎やらなんやらでもう右手がボロボロなので、特に右手右腕には色々な物をつけています。
ネックウォーマー
寒さ対策として必需品です。どうしても首から肩の冷えを凄く感じるので手放せません。首の筋肉も少なくすぐに凝ってしまい頭痛へと発展してしまうので、温めてコリをほぐすために秋になれば睡眠時にもつけています。睡眠用(家用)、会社用(薄手)、外用(厚手)と現在3種類持っていますが、薄手の会社用が伸びてしまいデロンデロンになって暖かくないので会社用の普通の厚さの物を揃えようと思っています。
手首ウォーマー
腱鞘炎や手首の痛み対策としてシルク製の手首ウォーマーを買いました。やはり温めると痛みが治まるので夏以外はつけています。
レッグウォーマー
足は何をしても冷えるのでレッグウォーマーはかかせません。冬はタイツを履いた上にレッグウォーマーをつけています。そして非常に寒い時は腿まで伸びるウールのロングタイプのレッグウォーマーを着用しています。とにかく足が冷えきると力が入らず危険ですし、過去に足下から冷えきって体の動きが悪くなり身の危険を感じたことがあるので冷やせません。実際レッグウォーマーをしても暖かいと感じることは無く、ただただ寒くないというだけなんですけどね。
足首ウォーマー
外側がウールで内側がシルクの物を使っていますが、これが最大のヒットでレッグウォーマーをしてさらに足首ウォーマーをつけるとかなり寒さに対応できます。足首ウォーマーをつけただけでこんなに暖かいとは思ってもみませんでした。11月になれば会社にも足首ウォーマーをして行きます。もちろん冬はレッグウォーマーと共に寝る時もつけていますが靴下だけは履きません。熱を逃がすところが無いと寝られないので。
ハンドウォーマー
ハンドウォーマーもシルク製です。これも腱鞘炎と親指の付け根の痛み対策で買いました。温めると痛みが和らぐので必需品です。そして皆さんもうお気づきと思いますが、私のウォーマーはシルク製が多いのです。それはなぜかと言いますと天然素材なのでチクチクしたり痒くなったりすることが無いと言うのが一番なのですが、シルクはほんのりと暖かいのです。化学繊維やウールなどは暑くて汗ばんだりしますし、寝ている間に暑くてはずしてしまったりするので外出時の防寒なら良いのですが、家の中だったり会社だったり日常生活の中でずっとつけているのには向きません。やはりシルクはほんのり温かく付けていることを忘れるくらいなので最高です。
腹巻き
人間の体は生命維持に欠かせない内臓部分と脳に血液を集中しますので胴体が冷えれば血液が末端までまわらないので冷えるのです。冬山で寒さも限界に達すると手足が凍傷になりますよね。あれは体を守るために血液を内臓と頭部に集中させるために、命に別条のない部分を切り捨てるのです。ですから日常でも腹巻で温めるとその分血液が体の末端まで巡りますし、実際腹巻をきして寝ると翌朝体がとても暖かいですし手足も暖かいのです。ですからこれからの季節は寒くなくても寝る時に腹巻をして寝ます。
ひざ掛け類
ひざ掛けは必需品です。足下をスーッと冷たい空気が流れるだけで足が冷えてしまうので、会社では夏以外は常にひざ掛けを使用しています。この下半身の冷えは異常なくらいなのですが、主治医によると「筋ジストロフィーの患者さんで下半身が異常に冷えるという人は何人かいますよ」と言っていたので、異常に冷えるのは自分だけではないと言う事で諦めています。そして通勤の車の中では一年中かけています。特に夏は冷気が足下にたまってしまうのでよく冷えますから、冷えて運転中に足が攣ったら大変ですからね。
そしてさらに家では内側がボアで外側が迷彩柄の巻きスカートをつけています。最初はなんかちょっと恥ずかしい感じがあったのですが、迷彩柄ならそんなに恥ずかしくないかなと思い決めました。秋ならひざ掛けとして使えるますし、冬になればお尻も冷えるので巻きスカートにしています。そしてつけてみたらビックリで、ひざ下まで長さがあり非常に暖かいので今では手放せません。何ならダウンの巻きスカートも買おうか、って感じです。それでも寒い時はダウンパンツを履いています。
ざっと簡単に書いてみましたが、これが私が毎日を快適に過ごすために使っている主な物です。今後それぞれの物について詳しく記事にしていこうと思っています。少しでも皆さんの参考になればと思います。
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