上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット@フジロック2021

8月20日(金)~22日(日)まで新潟県の苗場スキー場にてフジロック2021が開催されました。そして上原ひろみが2021年の新しいプロジェクトとして「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」として8月22日にステージに立ちました。

上原ひろみザ・ピアノ・クインテット

上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット

上原ひろみはデビュー以来、トリオやソロ、デュオなど様々な形態で演奏してきましたが、ここ最近はアンソニー・ジャクソン。サイモン・フィリップスとのトリオで活動してきました。しかし2016年にアンソニージャクソンが病に倒れてからは、デュオやソロなど形態を固定せずに演奏していましたが、昨年末から今年の年始にかけて「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」名義でブルーノート東京でライブを開きました。

私も年始にこの公演を見たのですが、このクインテットのために曲を書き下ろしたそうで実に刺激的なステージでした。その完成度や上原ひろみの入れ込み具合から、きっとアルバムを出すのではないかと思っていましたが、予想通り9月8日に「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」名義で「シルバー・ライニング・スイート」というアルバムがリリースされます。同時にジャパンツアーも発表されました。

上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット メンバー

今回のこの「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」のメンバーは

  • 上原ひろみ:piano
  • 西江辰郎:1st violin(新日本フィルハーモニー、コンサートマスター)
  • ビルマン聡平:2nd violin(新日本フィルハーモニー、主席2ndバイオリン奏者)
  • 中 恵菜:viola(新日本フィルハーモニー、主席ヴィオラ奏者)
  • 向井 航:cello(関西フィルハーモニー、主席チェロ奏者)

というメンバー構成です。

実はブルーノート東京でのライブの時はヴィオラを東条慧さんがつとめていましたが、彼女は今年からデンマーク王立管弦楽団の第一首席ヴィオラ奏者として活動しているはずなので、スケジュール的なもので参加できなかったのかもしれませんね。

アルバム「シルヴァー・ライニング・スイート」

そして9月8日にアルバム「シルヴァー・ライニング・スイート」がリリースされます。収録曲は

  1. シルヴァー・ライニング・スイート:アイソレーション
  2. シルヴァー・ライニング・スイート:ジ・アンノウン
  3. シルヴァー・ライニング・スイート:ドリフターズ
  4. シルヴァー・ライニング・スイート:フォーティチュード
  5. アンサーテンティ
  6. サムデイ
  7. ジャンプスタート
  8. 11:49PM
  9. リベラ・デル・ドゥエロ

となっており、全曲上原ひろみオリジナルで、8曲目以外はこのピアノ・クインテットのために書き下ろした曲です。8曲目の11:49PMはアルバム「MOVE」に収録されている壮大な曲で、私の一番好きな曲なのですが、プログレ系の曲なのでこういったクラシカルな編曲にぴったりな曲で、初めて聞いたときは鳥肌が立ちました。ぜひとももう一度聴きたいと思っていたので、アルバムに収録されていることを知って思わずガッツポーズです。

フジロック・フェスティバル2021

アルバムのリリースと同時に今年の冬のジャパンツアーも発表されましたが、それまでの間何も活動は無いのかと思っていたところ、今回のフジロック出演が発表されました。例年ですとワールドツアー行ってから11月から12月にかけてジャパンツアーになるのですが、今年はコロナ禍の影響でワールドツアーを行うことができません。そして今回のメンバーは全員日本人と言うこともあり、ワールドツアーの代わりに日本国内でのフェスなどで演奏するのだと思います。

今年のフジロックは他のフェスが中止になる中、感染対策を徹底すると言うことで開催されました。いくら主催者が感染対策を徹底しても結局はそこに参加する個人の行動にかかっています。メディアではこの時期のフェスを悪として報道していますが、このフェスに参加された方の現地の様子を撮影した動画を見ましたが、今話題となっている中部地方でのフェスと違って、主催者がしっかりと対策をしていることがわかりました。フェスとしては20年以上の歴史があるわけですから、当然と言えば当然ですよね。

ライブストリーミング配信

コロナ禍と言うこともあって人数制限も行われ、現地に行けない人も多くなるからでしょうか、今回はライブストリーミング配信が行われました。たとえコロナ禍でなくても難病でありフェスになんて行けない私にとってはとても有難いことです。今回は無料での公開でしたが、将来的には有料でもよいのでストリーミング配信をしていただきたいと思いますし、新たな収益源としてライブストリーミング配信は定着していくのではないかと思っています。

さてその上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテットのステージですが、最初から上原ひろみは飛ばしている感じがしました。徐々にヒートアップしていき途中で彼女の演奏は神がかっているなと思っていたのですが、最終的には神になっちゃったんじゃないかなって言う位の素晴らしい演奏でした。自分が知ってる上原ひろみのライブの中でもトップに入るような濃密なステージでした。おそらくこのコロナ禍でライブができず、昨年Blue Note Tokyoで”Save Live Music”と言うライブを始めたたわけですが、こういった大きな野外でのフェスには一切出ることができず、また演奏もできなかったので、ほんとに久しぶりのライブでやる気がみなぎっていたのだと思います。

そして何よりクインテットですから音楽の基本の部分は全てピアノ演奏になるわけです。と言う事は今回1時間20分近くのステージだったわけですが、そのほとんどを休むことなくずっとピアノを弾き続けていました。そんな中で何かに取り憑かれたようなものすごく激しい演奏のソロを取るわけですから、そのパワーにも圧倒されましたし、一体どこにそんな体力があるんだと。終わりの方で1曲”Kaleidoscope”と言う彼女のソロの曲の演奏がありました。その間他のメンバーは休んでいたわけですが、当然のように彼女は休むこともなく引き続けていました。

そして最後に”Ribera Del Duero”という曲を演奏しました。この曲は年始のブルーノートでのライブでも1番盛り上がった曲で、そこに最後に全てをぶつけた感じがしました。曲の終盤に弦楽四重奏の人たちがそれぞれ立ち上がりソロを取る場面がありましたが、まさにあの場面は即興演奏だったんでしょう、とても皆さん熱い演奏をされていました。ソロの最中の上原ひろみの眼差しがとてもうれしそうだったのが印象的です。本当に楽しかったんだと思います。そして曲の最後には自然と手拍子も湧き起こり、最後終了した瞬間ものすごい拍手と歓声が湧き上がりました。あの演奏聞いたらそれは誰でも声を出したくなると思います。

9月にアルバムがリリースされ11月14日からジャパンツアーがスタートします。それまでにどこかでライブなどが行われるのかはわかりませんが、そのころにはこの楽曲たちが成長し、新しい姿を見せてくれると思います。いつも通りチケット争奪戦がありますが、何とかチケットをゲットして参戦したいと思っています。

セットリスト

1. Jumpstart
2. Silver Lining Suite-Isolation
3. Silver Lining Suite-The Unknown
4. Silver Lining Suite-Drifters
5. Silver Lining Suite-Fortitude
6. Someday
7. 11:49PM
8. Kaleidoscope (Solo)
9. Ribera Del Duero

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